派遣CADオペレーターの仕事ってどう?口コミからわかったメリット・デメリットを解説

派遣CADオペレーター メリット・デメリット
  • 未経験からCADの仕事をはじめたい
  • CADの経験やスキルを活かして稼ぎたい

そんな方には、派遣のCADオペレーターがおすすめです。

派遣では、「未経験可」から「経験豊富な方向け」まで多種多様な求人を扱っており、あなたの現在のスキルや、スキルの向上に合わせたお仕事を見つけられるからです。

また、福利厚生の一貫として「スキルアップ講座」を無料で開催している派遣会社も多いため、実務経験のない人や、基礎をしっかり身につけたい人にもおすすめです。

当記事では、派遣CADオペレーターの仕事内容やメリット・デメリットについて、経験者の口コミをもとに詳しく解説しています。

この記事を読めば、派遣CADオペレーターについての理解が深まり、あなたに合った働き方なのかどうか判断できるでしょう。

ぜひ参考にしてみてください。

【調査概要】

  • 調査対象:派遣でCADオペレーターの仕事をしたことがある方
  • 調査期間:2020年9月17日~9月27日
  • 調査機関:自社調査
  • 調査方法:インターネットによる任意回答
  • 有効回答数:29人

CADとは設計や製図を行うシステム

CADとは、建造物や機械部品などの設計や製図をパソコン上で行うシステムやソフトのこと。

ひと昔前まで、図面はドラフターと呼ばれる製図台を用いて手書きで行われていましたが、それをパソコン上でできるようにしたのがCADです。

CAD:Computer Aided Design(コンピュータ支援設計)

CADには、2次元の平面図である「2D CAD」と、3次元の立体的な図である「3D CAD」があります。

派遣CADオペレーターの仕事内容

CADオペレーターとは、CADシステムやソフトを用いて、図面の作成や図面修正を行う仕事です。

設計士やデザイナーの指示に従って図面を起こしたり、すでにできあがっている設計やデザインに変更があった際にデータを修正したりすることが、主な仕事内容となります。

ただし派遣求人には、CAD作業のみを専門に行うもののほか、

  • 設計士やデザイナーを兼任するCADオペレーター
  • 事務職を兼任するCADオペレーター

といった求人も多いです。

とくに事務職を兼任する場合は、エクセルを使った資料作成や、電話応対・来客応対のような、人によっては雑務と感じられる業務が含まれているケースもあります。

仕事を探す際は、業務内容が希望条件と合っているか確認し、譲れない条件がある場合は派遣会社のコーディネーターに伝えておきましょう。

派遣CADオペレーターの一日

この章では、実際に派遣CADオペレーターとして働くお二人の一日の流れを紹介します。

【工務店で住宅設計を行っているAさんの一日】

9:00 出社
部内ミーティング、業務の進捗状況の確認
9:30 午前の業務開始
図面作成や申請書類の作成
12:00 昼休憩
13:00 午後の業務開始
図面作成などの続き
17:30 業務終了~退社
片付けや掃除

(※日によっては、営業部同行のもとクライアントの打ち合わせ、現場測量、測量データ作成などもあり)

【建設コンサルタント会社の橋梁設計部門にいるBさんの一日】

9:00 出社~業務開始
本日の手持ち作業について担当者に報告し、業務開始
11:30 途中報告
作業の進捗を報告し、間違いや指示者の意図の通りに図面修正されているか、途中段階を確認
12:00 昼休憩
13:00 午後の業務開始
午前中からの作業の続き
14:00 途中報告
作業が完了した図面の修正指示を受け、追加作業を行う
15:00 新規作業の指示を受ける
新たな作業の指示をうける。構造物データに地形データを追加する作業など
17:30 退社

どんな仕事がある?派遣CADオペレーターの活躍の場

CADはあらゆるものづくりの現場で必要とされる仕事であることから、下記のように多種多様な業界に需要があります。

業界 CADオペレーターの就業先
建築業界 ゼネコン(総合建設)、建設会社、建築設計事務所、住宅メーカー、キッチンメーカー、家具メーカー、商社、デザイン事務所、建材会社、設備会社、工務店
土木業界 ゼネコン(総合建設)、建設コンサルタント会社、土木工事関連会社
機械設計 自動車メーカー、造船メーカー、文具メーカー、機械設計事務所
電子・電気設計 電子部品メーカー、自動車メーカー、家電メーカー、電気工事会社

当メディアがCADオペレーター経験者に行ったアンケートでも、さまざまな業種で活躍している人がいました。

CADオペレーターの仕事例 -アンケート回答より-

  • デジタルカメラ機構部品の設計(30代 女性)
  • 住宅メーカーで戸建て図面作成補助(30代 男性)
  • ゼネコンの下請会社で地盤の設計図作成(60代 女性)
  • 機械設計事務所で、プレス金型とその周辺の自動化装置の設計(50代 男性)
〔出典〕独自アンケート調査

派遣CADオペレーターは未経験でもできる

CADの実務経験がない方でも、派遣CADオペレーターになることは可能です。

CADの求人には、基本的なCAD操作ができればこなせる「簡単な図面修正や変更のみ」という難易度の高くない仕事もあるからです。

もちろん、経験者に比べれば仕事の選択肢は少ないですが、大手派遣会社の検索ページを見ても、実際に「未経験可」の求人は見つかります。

ただし、未経験と言ってもCADの基本的な知識とソフトの基本操作は求められるため、短期スクールや独学などで最低限のスキルは身につけておくと、お仕事を紹介してもらいやすくなります。

とくにCADソフトは無料で利用できるものも多く、実際に手を動かしながら操作方法を習得できるのでおすすめです。

また、実務経験がない方やスキルアップを目指したい方は、無料スキルアップ講座が充実している派遣会社を選ぶとよいでしょう。

派遣会社名 無料で受けられるスキルアップ講座
テンプスタッフ はじめてのAuto Cad/ブラッシュアップCAD研修/Revit基本操作研修/CIM研修/Vectorworks研修/Tfas研修/Rebro研修/OPEN CAD・Design/Zoomウェブセミナー
CAD JOB AutoCAD研修/REVIT研修/Vectorworks研修 ※それぞれ基礎編と応用編アリ

※実施講座は、2022年1月時点

使えると役立つCADソフト

未経験の方がCADの仕事を始める『とっかかり』として身につけるのなら、「AutoCAD」がよいでしょう。

「AutoCAD」は汎用性が高く、多くの求人の応募条件として掲げられているCADソフトだからです。

当メディアが、派遣CADオペレーターの経験者29人に「使用できるCADソフト」を聞いたところ、29人中20人が「AutoCAD」と回答しました。

CADソフトの種類は非常に多く、派遣先によっても使用するCADソフトは異なりますが、「AutoCAD」が使いこなせれば、就業先はたくさんあります。

CADオペレーターは、資格の有無よりもCADソフトを操作できるかどうかを重視されるので、未経験の方はまず「AutoCAD」操作の習得をしましょう。

派遣CADオペレーターのメリット

では、派遣のCADオペレーターにはどのようなメリットがあるのか、経験者の口コミをもとに解説していきます。

1.時給が高い

  • 図面の単価が高い。ノウハウを身につければ早く描けるのでコスパが良い(30代 男性)
  • 短期間で収入になる(40代 女性)
〔出典〕独自アンケート調査

派遣CADオペレーターのメリット1つ目は、時給が高いことです。

バイト情報誌タウンワークによると、東京都におけるパート・アルバイトCADオペレーターの平均時給は1,367円。

一方、派遣CADオペレーターの時給相場は1,800~2,000円ほどと、パート・アルバイトよりも500円前後も高くなっています。

派遣CADオペレーターの平均時給

※東京都の新着求人、上位50件から算出(調査日:2022年2月1日)

スキルや経験が増えれば、上記平均より高い時給2,500~3,000円も可能となります。

2.自分の仕事に専念できる

  • 社内会議などの拘束時間がなく、作業に専念できる(40代 女性)
  • 報告資料作成のような付帯作業が少なく、製図作業に没頭できる(30代 女性)
  • 会議や掃除など、他の仕事をする必要がない(40代 女性)
〔出典〕独自アンケート調査

派遣CADオペレーターのメリット2つ目は、自分の仕事だけに専念できることです。

CADオペレーター専門として派遣された場合、仕事内容がCAD作業のみになることも多いためです。

口コミでは、社員のように会議へ参加する必要がないことをメリットに挙げる声が多くありました。

ただし、事務職を兼務している場合は、エクセルやワードでの資料作成、電話応対、来客応対なども行わなければなりません。

「CADオペレーターに専念したい」「事務や雑務はなるべくしたくない」という方は、派遣登録の際に派遣会社のコーディネーターにしっかり伝えておきましょう。

3.スキルがあれば年齢・性別に関係なく需要がある

  • 一度技術を身に付ければ、性別も年齢も関係なくずっと現役で働けるのが魅力(30代 女性)
  • 技術が伴えば、裁量の大きな業務もできる(30代 女性)
  • 時給が高く、需要もあるので契約延長の確率が高い(50代 女性)
〔出典〕独自アンケート調査

派遣CADオペレーターのメリット3つ目は、スキルがあれば年齢・性別に関係なく需要があることです。

派遣CADオペレーターは技術職であり、一般的に技術は経験の多さに応じて向上し、経験年数を経るごとにさまざまな案件の対応できるようになるためです。

たとえば、はじめは設計図の修正・変更のみからスタートした人でも、経験を積むにつれて図面をイチから起こす仕事を任せてもらえるようになります。

また、近年スタンダートになりつつある3D CADもオペレーターはまだまだ不足しているため、使いこなせるようになればさらに需要は高まるでしょう。

4.残業の有無を選べる

  • 残業が社員に比べて少ない(30代 男性)
  • 残業が少ないので自分の時間をとりやすい(40代 女性)
〔出典〕独自アンケート調査

派遣CADオペレーターのメリット4つ目は、残業の有無を選べることです。

社員の場合、残業が多い職場で自分だけ残業をしないとは言いにくいですよね。

逆に残業代で稼ぎたいと思っても、残業NGの会社であればできません。

一方派遣の場合、就業先の求人欄に残業の有無や目安が明記されているため、好みに合わせて選ぶことができます

【その他】派遣CADオペレーターのメリット

その他、口コミにあがった派遣CADオペレーターのメリットをご紹介します。

  • 直接雇用が難しい大手企業での勤務ができる(30代 女性)
  • ブラック、ハラスメント、法的に触れる恐れのある場合は派遣会社へ報告できる。また、そのような不都合があれば職場を変更できる(40代 女性)
  • 社員ほど責任が重くない(40代 女性)
〔出典〕独自アンケート調査

派遣CADオペレーターのデメリット

次に、派遣のCADオペレーターのデメリットを見ていきます。

雇用が不安定

  • 派遣先の業績が下がれば契約延長もされないなど、雇用がいつまで続くかの不安が常にある(40代 女性)
  • 繁忙期と閑散期の業務量に差があるため、とくに建築・土木関係は新年度に入るときに契約更新がなくなる可能性が大きい(30代 女性)
〔出典〕独自アンケート調査

派遣CADオペレーターのデメリット1つ目は、雇用が不安定なことです。

派遣社員の場合、派遣先が契約更新を望まなければ、その時点でお仕事が修了してしまうからです。

「一度就職したらとりあえず安泰」な社員と比べると、雇用が不安定な点は否定できません。

ただ、CADオペレーターはどの業界でも需要があるため、スキルの高い人であれば、途切れることなく仕事を紹介してもらえます。

できるだけ安定して働きたい方は、繁忙期の案件ではない「長期」と記載されている案件を選ぶのもおすすめですよ。

ボーナスや昇給が期待できない

  • ボーナスや昇給など、社員との待遇に差がある(40代 女性)
  • 給料が年々上がっていくことは保証されていない(30代 男性)
〔出典〕独自アンケート調査

派遣CADオペレーターのデメリット2つ目は、ボーナスや昇給が期待できないことです。

2020年4月から導入された「同一労働同一賃金」によって、正社員と同じ仕事内容・責任の程度であれば、派遣社員にもボーナスの支給や昇給が行われるようになりました。

ただ支給方法は、待遇決定方式や就業規則によって異なるため、実際のところ「正社員のように夏と冬の年2回ボーナスが支給されない」「定期的な昇給がない」と不満を抱いている人もいます。

派遣CADオペレーターは時給が高いため、月収に満足している人は多いものの、社員のように年2回まとまったボーナスが出ず定期昇給もないので、年収は社員よりも少なくなってしまうためですね。

ただ、スキルや経験を積むと、契約更新のタイミングで派遣会社が時給アップをしてくれるケースはよくあります。

-アンケート回答より-
「最初は時給1,550円でしたが、スキルと経験を重ねることで50~100円位ずつ上がり、現在は時給2,300円になっています(30代 女性)

〔出典〕独自アンケート調査

上記の方は時給が750円アップしており、「1日8時間×月22日の勤務」だと、未経験者の頃よりも月収が13万円以上アップしています。

●時給1,550円のとき
1,550円×8時間×22日間=272,800円
●時給2,300円のとき
2,300円×8時間×22日間=404,800円

定期昇給はなくても、努力しだいで収入アップを期待できるのが、派遣CADオペレーターのやりがいでもあります。

【その他】派遣CADオペレーターのデメリット

その他、口コミにあがった派遣CADオペレーターのデメリットをご紹介します。

  • 責任がないのでやる気の継続が難しい。断片的な作業が多い(30代 女性)
  • プロジェクトの重要性のような製品全体に関する情報共有はあまりなく、社員との温度差を感じる(30代 女性)
  • 時給制なので連休があると給料が下がる(30代 男性)
〔出典〕独自アンケート調査

派遣CADオペレーターになりたい人にアドバイス|経験者さんのQ&A

未経験から派遣CADオペレーターの仕事をはじめ、現在10年目のAさん(30代 女性)に派遣CADオペレーターの実情について聞いてみました。

CADオペレーターに向き不向きはありますか
平面図を立体にできるセンスがある方は仕事に慣れやすいと思います。
派遣先の現場には、口調がきつい人など色々な人がいるため、無理に合わそうとしたりまじめな人は居心地が悪くなり続かないかもしれません。
CADオペレーターの仕事で嬉しかったことや辛かった経験は?
現場の社員に頼られて仕事を任せてもらえたり、時給が上がったりしたときは嬉しかったです。
時給制のため連休が多いと収入が減ることやボーナスがないことは、正社員と比べて辛く感じることもありました。
CADオペレーターの仕事で参考になるサイトはありますか?
会社が独自で操作方法を公開していたり、企業がわかりやすいQ&Aを公開しています。
ネット検索するとわからないことはだいたい見つかるので、初心者でも安心だと思います。
書籍は高いのでネットで検索するのがおすすめです。
CADオペレーターを目指す人へアドバイスをお願いします
最近では、3次元CADが主流になっており、難しく感じられる人も多いかもしれません。派遣会社にはCADの資格を取得できるところもあるので活用した方がいいと思います。eラーニングや3日間講座など、派遣会社が行うリーズナブルな講座を見つけて、自分に本当に合うかどうか試してみてもいいかもしれません。
最後までお読みいただきありがとうございます。CADの派遣仕事を探すなら「CADオペレーターにおすすめの派遣会社ランキング」の記事、CAD派遣が不向きと判断、他の仕事を探したい場合は「おすすめの派遣職種ランキング」の記事を参考にしてみてください。