派遣社員が遅刻した場合の連絡先は?遅刻理由に言い訳は通用するのか?

  • 「やばい!遅刻だ!とりあえず連絡しなきゃだけど、連絡するのって派遣先?派遣会社?」
  • 「寝坊で遅刻なんてヤバイよね…」

派遣社員が遅刻する場合、どこへ連絡すればいいのかわからない人や、遅刻したらどうなるのか不安な人も多いのではないでしょうか。

結論から言うと、派遣社員が遅刻する場合、まずは派遣先へ電話連絡して、遅刻の理由を正直に伝えましょう。

派遣先へすみやかに連絡することで、仕事へかける迷惑を最小限に抑えられるからですね。

しかし、もし遅刻の理由が「寝坊」だった場合、正直に話しても大丈夫なのか?と不安になる方も多いと思います。

なぜなら、就業時間に遅刻した経験がある派遣社員60人へアンケートを行ったところ、1番多かった遅刻理由は「寝坊」だったからですね。

派遣社員経験者60人に聞いた遅刻理由

当記事では、

  • 派遣社員が遅刻時の連絡先や伝え方
  • 遅刻をするデメリット
  • 就業時間に遅刻経験がある派遣社員60人の口コミ調査結果

などを紹介しています。

この記事を読むことで、悪気なく遅刻を余儀なくされる場合でも焦ることなく冷静な対処ができるようになるでしょう。

遅刻する場合、まずは派遣先に電話連絡しよう

遅刻する場合、まずは派遣先に電話連絡を入れましょう。

なぜなら、派遣先の現場に迷惑をかけるためです。

連絡方法は「電話」もしくは「メールやLINEメッセージ」です。

結論から言うと、電話はメリット、メールやLINEでの遅刻連絡はデメリットがあります。

●電話のメリット
・上司や派遣先の担当者に直接取りついでもらえるため確実に伝えられる
・返答内容や口調で相手の反応がわかる
・焦っている様子や周りの喧騒といった状況を伝えやすい
●メールやLINEのデメリット
・派遣先の上司や企業風土によっては非常識と思われる
・速やかに伝わらない
・文字だと気持ちが伝わりにくい

電話連絡を基本とし、「電車の遅延で満員電車に閉じ込められた」「病院にいて通話可能エリアまで動けない」のような電話連絡が難しい状況の場合には、メールやLINEを活用するのがよいでしょう。

派遣先に連絡をしたら、次は派遣会社に電話で連絡しましょう。

なぜ派遣会社にも連絡するのかというと、

  • 派遣会社は派遣スタッフの勤怠状況を把握する必要がある
  • 「報告・連絡・相談」のできる派遣社員として信頼を得られる

などの理由があるからです。

前もって誰に連絡すればいいのか確認し、遅刻時でもすぐ連絡できるよう、派遣先と派遣会社の連絡先をスマホに登録しておきましょう。

就業時間前に遅刻がわかった場合は就業時間までに連絡を入れる

就業時間前に遅刻することがわかった場合、遅刻の連絡は就業時間までにしてください。

なぜなら、就業時間前に連絡を入れることで派遣先がスケジュール調整できて助かるからです。

  • 「ギリギリで間に合うかもしれない」
  • 「もし、遅れたとしても3分程度だから」
  • 「5分ぐらいの遅刻なら大丈夫だろう」

間に合うか間に合わないか微妙な場合でも、事前に連絡しておきましょう。

間に合えば問題ないですし、もし遅刻しても事前連絡を入れれば印象は悪くなりません。

逆に、間に合うと判断して連絡を入れずに遅刻してしまった場合は印象が悪くなってしまいます。

また、就業時間を過ぎてからの連絡は、たとえ正当な遅刻の理由があっても「寝坊したんじゃないか?」と思われてしまうこともあります。

その場合は「遅刻した自分が悪いから仕方ない」と諦めましょう。

無理のない到着時間を伝える

遅刻の連絡をする際、遅刻の理由と合わせて無理のない到着時間を伝えましょう。

自ら到着時刻を伝えながら、その到着時間に間に合わないと、さらに印象が悪くなってしまうからです。

例えば、移動手段としている乗り物や交通機関のトラブルが起こった場合は、到着時間が読めません。

  • 通勤電車がトラブルで止まっているけど、いつ再開するのかわからない
  • 車の渋滞に巻き込まれているけど、どこまで続いているのかわからない
  • 自転車のチェーンが外れたけど、上手くつけられない

到着時間のメドが立たない場合は、その旨もしっかり伝えましょう。

遅延証明書の提出が必要な場合もある

公共交通機関の遅延による遅刻の場合、遅延証明書の提出が求められる場合もあります。

【遅延証明書のもらい方】

  1. 改札前で配られているのをもらう
  2. 改札で駅員さんに発行してもらう
  3. WEBからダウンロードする
  4. 自動改札機で発行する

寝坊による遅刻も正直に伝えよう

当記事を作成するうえで行った「遅刻したことがある派遣社員アンケート」において、遅刻の理由で最も多いのは「寝坊(60人中25人)」であることがわかりました。

結論から言うと、寝坊による遅刻も正直に伝えましょう。

「寝坊で遅刻したらクビになるのでは?」と不安な人もいるかと思いますが、1回の遅刻でクビになることは、まずないので安心してください。

寝坊で遅刻した25人中13人が正直に遅刻理由を伝えており、遅刻後も変わらず勤務していました。

【正直に寝坊と伝えた時の派遣先や派遣会社の反応・対応口コミ】

  • 派遣先や派遣会社からは特に怒られなかった。
  • 初めての遅刻だったので厳重注意で済んだ
  • 有給扱いにして許してくれた

遅刻に対する注意はあっても、激しく怒られることはありません。正直に謝って、今後は気をつけましょう。

遅刻をしてもすぐクビにはならない

遅刻をしたからと言ってすぐクビになることはありません。

クビ(解雇)は、労働契約法第16条で“解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする”と定められております。

1回の遅刻を理由にクビにすることは、” 客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当である”と認められることは、なかなかありません。

遅刻を繰り返し、何度も注意や指導をされているのにも関わらず状況が改善しない場合や、遅刻理由が悪質な場合には解雇が有効となる可能性があります。

実際、就業時間に遅刻したことがある派遣社員の経験者60人に行ったアンケートで、遅刻をしてクビになった人が1人いました。

派遣社員が遅刻理由を正直に伝えた時の派遣先・派遣会社の反応

クビになるケースは稀と言っても、遅刻を軽く見てはいけません。

派遣社員が遅刻をするデメリット3つ

派遣社員の遅刻にはデメリットが3つあります。

  1. 遅刻した分の給料はもらえない
  2. 減給によるペナルティの可能性がある
  3. 遅刻が多いと契約更新してもらえない

デメリットの具体的な理由を見ていきましょう。

1.遅刻した分の給料はもらえない

当たり前ですが遅刻した分の給料はもらえません。

働いていない時間の給料は発生しないという「ノーワーク・ノーペイの原則(労働基準法24条)」があるからですね。

遅刻した分だけ給料が少なくなることを理解しておきましょう。

働いた分の給料はもらえるので、タイムシートには勤務開始の時間を記入してください。

「うちの派遣先は15分単位で給料計算しているけど、5分遅刻したら9時15分から勤務したことになるの?」

上記のケースでは、9時6分~9時15分の労働分に関しては切り捨てせず、1分単位で給料計算してもらえますよ。

15分単位の給料計算だからといって、タイムシートに9時15分と記入する必要はありません。

2.遅刻したら減給ペナルティを課される場合がある

派遣社員の遅刻に対して減給のペナルティを課されることもあります。
就業規則に規定があれば、遅刻した派遣社員に対して合法的な制裁は可能なためですね。

減給額は労働基準法第91条によって、

  • 1回の減給額が平均賃金の1日分の半額を超えること
  • 減給総額が一賃金支払期における賃金総額の10分の1を超えること

と規定されているため、これを超えることはできません。

遅刻時のペナルティがどのようになっているか、派遣会社の就業規則を事前に確認しておきましょう。

ペナルティの金額が規定額を超えているような場合には、専門家(弁護士、社会保険労務士等)や行政機関(労働基準監督署)に一度相談してみてくださいね。

3.遅刻が多いと契約更新してもらえなくなる

遅刻の多い派遣社員は、契約更新してもらえなくなる可能性が高くなります。

なぜなら、時間やルールが守れない人と評価されて信用が落ちるからですね。

就業時間に遅刻したことがある派遣社員の経験者60人へ行ったアンケートを見ると、

  • 普段の勤務態度に問題がない人
  • 派遣先での人間関係が良好な人
  • 初めての遅刻

などは許してもらっています。

【口コミ】

  • 日頃の勤務態度が良かったのと、初犯だったこともあり厳重注意で済みました。(遅刻理由/寝坊)
  • アットホームな雰囲気の職場で、勤務して1年経っていたので、「次から気を付けろよ」と笑って許してもらえました。(遅刻理由/寝坊)

日頃から真面目な姿勢で仕事に取り組んでいたことから、遅刻による失点をカバーできたカタチですね。

遅刻分を休憩時間の返上と残業で取り戻す際の注意点

  • 「遅刻分をカバーするために休憩時間返上で働けないか?」
  • 「1時間遅刻したからその分を残業で取り戻したい」

と考える人もいるのではないでしょうか。

結論から言うと、遅刻分を休憩時間返上や残業で取り戻すことは可能ですが注意点もあります。

なぜなら以下の理由があるからです。

  • 休憩時間は勤務時間に対して定められているが、休憩を取る必要のないケースもある
  • 所定労働時間内の勤務なら残業扱いにならない

休憩時間と残業、それぞれのケースについて詳しく見ていきましょう。

遅刻しても勤務時間が6時間を超えなければ休憩返上で働ける

遅刻しても勤務時間が6時間を超えなければ休憩返上で働けます。

休憩時間は、

  • 労働時間が6時間を超える場合は少なくとも45分
  • 8時間を超える場合は少なくとも1時間

取得するよう「労働基準法第34条」で定められているからです。

例えば、9時から16時勤務(休憩時間12時~13時)の派遣社員が1時間遅刻した場合、休憩時間を返上して働いても違法にはなりません。

休憩を取らなくても問題ない勤務時間なら、派遣先に「休憩は取らない」と伝え、承諾を得てから休憩時間を返上して働いてくださいね。

遅刻して残業する場合は派遣先の許可が必要

遅刻した日に残業する場合は、派遣先の許可が必要です。

正当な理由がない限り、派遣先は残業を許可しないからです。

「遅刻のせいで仕事が片付かない」という理由なら残業の許可は得られますが、何も仕事がないのに遅刻分を取り戻そうとする残業は許可されません。

また、残業であったとしても遅刻分をカバーするだけだと、残業代(割増賃金)は発生しません。

法定労働時間を超えない勤務だと、残業として認められないからですね。

例えば、9時~18時勤務(休憩1時間)の人が、遅刻で10時に出勤し、いつもより1時間延長で19時まで働いたケースを見てみましょう。

18時~19時の勤務分は「所定労働時間」を超えませんし、「法定労働時間」も超えないため残業代は発生しません。

「いつもの18時勤務を超えて19時まで働いたのに残業代が出ていない!」と勘違いしないでくださいね。

法定労働時間と所定労働時間の違い
  • 法定労働時間とは、「1日の労働は8時間まで、1週間の労働時間は40時間まで」と労働基準法によって定められた時間のこと。8時間を超える勤務時間は残業扱いになります。
  • 所定労働時間とは、法定労働時間を超えない範囲で企業が自由に設定できる勤務時間のこと。所定労働時間を超えて勤務しても、法定労働時間を超えていなければ残業代は発生しません。

派遣登録会や顔合わせなどの遅刻もNG

派遣登録会や顔合わせなどの遅刻にも注意が必要です。

なぜなら、派遣会社や派遣先への印象が悪くなるからですね。

派遣登録会や顔合わせに遅刻した場合の影響について見てみましょう。

派遣登録会に遅刻したら仕事を紹介されにくくなる

派遣登録会に遅刻したら、仕事を紹介してもらえにくくなります。

時間を守れないルーズな人と見なされてしまうからです。

時間にルーズな人を派遣して遅刻ばかりされると、派遣先の企業から「質の高い人材がいない派遣会社」という印象を持たれ、派遣会社の信用問題が落ちてしまいます。

紹介してもらえたとしても「仕事がツラくて人気のない職場」ばかりとなります。

ツライ職場なことから人が集まらず、圧倒的に人手が足りないからですね。

派遣会社は登録会から派遣スタッフに社会人としてのマナーが備わっているかチェックしているので、就職の面接へ行くつもりで登録会に参加してくださいね。

顔合わせに遅刻したら顔合わせを断られ採用も見送られる

顔合わせ(職場見学)に遅刻したら、顔合わせ自体を断られて採用も見送られます。

理由は以下のとおりです。

  • 派遣会社の営業担当者や、派遣先の担当者の都合があるため、遅刻してくる派遣社員を待てない。
  • 遅刻理由によっては営業担当者もフォローせず、派遣先へ悪い印象を与える。
  • 他社競合だと不利になる。

数分の遅刻であれば、顔合わせを待ってもらえる可能性はあります。

しかし、待ってもらえたとしても悪い印象は与えてしまうことに変わりありません。

遅刻の理由によっては、後日あらためて顔合わせを設定してもらえるかもしれないので、間に合わないと思ったら、すみやかに派遣会社の営業担当者に電話で連絡しましょう。

顔合わせ当日、営業担当者との待ち合わせ場所へ遅刻しないためには、

  • 利用する交通機関
  • 待ち合わせ場所周辺の地図
  • 目的地までの所要時間

などを前もって確認し、早めに行動してくださいね。

顔合わせに営業担当者が遅刻するケースもある

いくら派遣社員が遅刻に気をつけていても、顔合わせに派遣会社の営業担当者が遅刻するケースもあります。

  • 職場見学の前日に、待ち合わせ時間や場所などを営業担当者へ確認する
  • 「絶対に派遣先で働きたい」アピールや、顔合わせへの気合を見せておく

など、営業担当者とコミュニケーションを取っておきましょう。

まとめ

派遣社員が遅刻する場合、遅刻の理由問わず、まずは派遣先へ電話で連絡を入れましょう。

派遣先に連絡をしたら、次は派遣会社へ連絡してくださいね。

遅刻をする理由は正直に伝えることです。

なぜなら後々矛盾が生じたり、嘘がバレたりしないからですね。

遅刻をしても、厳しく怒られたり即クビになったりすることは滅多にないですが、デメリットはあるので注意してくださいね。

【遅刻のデメリット】

  • 遅刻した分の給料はもらえない
  • 減給というペナルティが課される場合もある
  • 遅刻が多いと契約更新してもらえない

突発的な事故やトラブルによる遅刻は仕方なくても、寝坊や就業時間の間違いなど、あなたが努力したり注意することで回避できる遅刻は避けるように心掛けましょう。

当記事の監修者コメント

”遅刻はしてはいけない”という事が大前提ですが、もし、遅刻をしてしまいそうなときには派遣先・派遣元の両方に正直に事実を伝えることがなによりも大切です。

また、遅刻の理由が寝坊等の自分自身の問題である場合は、同じことを繰り返さないよう、再発を防ぐための策についても、しっかりと考えましょう。

■監修者プロフィール
社労士事務所志 代表 村井志穂氏

社労士事務所志 代表
村井志穂(むらいしほ)氏
椙山女学園高等学校 椙山女学園大学卒業

人事労務関連のソフト会社に入社後、カスタマーサポート・マーケティング・システム開発に携わる。

社会保険労務士資格取得後は、システムエンジニアとして勤めつつ、自身の事務所を開業。システム開発の経験を活かした、Office製品を利用した業務効率化ツールの提供も行っている。