派遣社員の産休・育休の取得条件は?いつから休めて、いくらお金がもらえるのかを知る

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
「派遣社員が産休や育休を取ることなんてできるの?」

そう思う人は多いかもしれません。

しかし、派遣社員でも産休や育休は取れますし、実際に利用している人もいます。

産休や育休は、一定の条件を満たせば正社員・派遣社員といった雇用形態に関係なく取得できると法律で定められているからです。

ただし、派遣社員は3ヶ月、6ヶ月のように契約を更新しながら働くため、「契約満了」や「更新なし」といった形で取得できないケースが多いのも事実です。

そこで今回は、派遣社員が産休・育休を取得するための条件や、産休・育休取得の現状について解説していきます。

  • 派遣で働きながら産休や育休を取りたい
  • どんな人が産休や育休を取れるの?
  • 産休や育休でいくらお金がもらえるの?

上記のような疑問や悩みがある人は、参考にしてみてくださいね。

派遣社員でも産休や育休は取れる

冒頭でも述べた通り、派遣社員でも産休・育休は取得できます。

産休や育休は、法律で定められた労働者の権利だからです。

就業規則に記載されていなくても、契約時に派遣会社から産休や育休の話がなくても、条件を満たせば取得は可能です。

産休は「産前6週間」「産後8週間」

産休は「産前・産後休業」のこと。産前6週間、産後8週間の休業が「労働基準法」によって定められています。

期間 備考
産前休業 出産予定日前6週間(多胎妊娠は14週間) 希望制(本人が希望すれば休める)
産後休業 出産後8週間 強制(本人の意思に関係なく休まなければならない)

「産前休業」は希望制です。休む権利はありますが、本人が働きたい場合は休む必要がありません。

一方、「産後休業」は強制です。本人の意思に関わらず、「働いてはいけない期間」として法律で定められています。

出産直後の労働は、母親の体調や育児に支障が出る可能性があるからですね。

ただし、本人の希望と医師の許可があれば、産後休業は8週間→6週間に短縮できます。

育休は原則1年間|ただし延長制度あり

育休は育児休業の略称で、「育児・介護休業法」によって定められています。

休業期間は、原則「子どもが1歳になるまで」ですが、下記の場合は期間の延長ができます。

  1. 事情がある場合
  2. 「パパ・ママ育休プラス」を利用した場合

1.事情がある場合

  1. 子どもを保育所に入所させたいが入れない
  2. 配偶者が死亡した
  3. 離婚した
  4. けがや病気により養育できない

といった場合は、1年6ヶ月~2年の延長が可能です。

待機児童がいる家庭は、1が当てはまりますね。

2.「パパ・ママ育休プラス」を利用した場合

初めて聞く人も多いと思いますが、「パパ・ママ育休プラス」は厚生労働省が定めた子どもが1歳2ヶ月になるまで育休が取れる制度です。

パパ・ママそれぞれの育休は1年間ですが、それぞれが時期をずらして育休を取ることで、1年2ヶ月の間仕事を休んで子どもを養育できるというものです。

参考:厚生労働省「パパ休暇」「パパ・ママ育休プラス」制度

ただし、取得は「パパママの両方が育児休業を取得していること」が条件となります。

男性の「育児休業取得率」は、平成30年時点で6.16%(厚生労働省発表)ですから、利用できる人は限られていると言わざるを得ません。

派遣社員が「産休」を取れる条件ともらえるお金

産休には取得条件がありません。働いている女性なら誰でも取ることができます。

ただし、お金に関しては、人によって受給できるものとできないものがあります。

「出産育児一時金」は誰でももらえる

出産育児一時金とは、出産費用の補助金として一児につき42万円、健康保険から支給されるお金です。

出産は病気ではないため保険適用外となり、分娩にかかる費用は全国平均40~50万円と高額。

出産育児一時金は、経済的な負担をなくす目的で支給されています。

【派遣社員が出産育児一時金をもらえる条件】

  • 派遣会社の健康保険に加入している
  • 夫の健康保険の扶養になっている
  • 国民健康保険に加入している

出産育児一時金が支給される条件は「健康保険に加入していること」。

日本に住んでいれば必ず健康保険に加入しているため、「誰でももらえる」ということになります。

また、「直接支払制度」を利用すれば、退院時に高額なお金を用意する必要がありません。

健保組合などが「出産育児一時金」を直接医療機関に出産費用として支払ってくれるためです。

「直接支払制度」とは?

健保組合などから医療機関に直接「出産育児一時金」を払ってくれる制度。例えば、出産費用が45万円なら、あなたが医療機関に支払うのは42万を差し引いた3万円のみ。逆に出産費用が40万円なら、差額の5万円が後日受け取れます。

名称 出産育児一時金
支給金額 42万円
手続き方法 病院からもらう「出産育児一時金等内払金支払請求書」に必要事項を記入して提出
受給のタイミング 退院時

※直接支払制度を利用できない医療機関もあります。

「出産手当金」がもらえるのは自分で社会保険に加入している人のみ

出産手当金は、給料が出ない産休中の生活をサポートする目的で支給されるお金です。

「出産育児一時金」とは違い、「出産手当金」がもらえるのは自分で派遣会社の社会保険に加入している人のみです。

夫の健康保険の扶養になっている人、国民健康保険に加入している人には支給されません。

出産手当金の支給額や期間は以下の通りです。

  • 産前6週間~産後8週間まで(このうち給料が支払われなかった期間)
  • 支給額は1日につき「標準報酬日額」の2/3相当

出産手当金の対象となるのは、産前6週間(42日)~産後8週間(56日)の産休期間です。

「標準報酬日額」とは、基本給に手当(ボーナス・残業手当・通勤手当など)を含めた月給の平均を30日で割った日割り額のことです。

例えば、基本給(17万円)、残業手当(3万円)、ボーナス・通勤手当(0円)の場合…

20万円÷30日=6,670円(標準報酬日額)
6,670円×2/3=4,450円(1日あたりの出産手当金)

となり、出産手当金の総額は最大で、産前42日+産後56日に4,450円をかけた、43万6,100円となります。

名称 出産手当金
支給金額 1日につき「標準報酬日額」の2/3相当
手続き方法 派遣会社から「健康保険出産手当金支給申請書」をもらい記入する(申請は派遣会社が行う)
受給のタイミング 申請後2週間~4ヶ月

派遣社員が「育休」を取れる条件ともらえるお金

産後8週間が過ぎ、産休期間が終わったあとに取得できるのが「育休」です。

産休は女性の労働者なら誰でも取得できますが、育休には取得条件があります。

【派遣社員が育休を取れる条件】

  1. 同じ派遣会社に1年以上雇用されている
  2. 育休期間の終了後も派遣契約が続く見込みがある
  3. 週の「所定労働日数」が3日以上ある

1.同じ派遣会社に1年以上雇用されている

派遣先がいくつ変わっても、育休前の1年間「同じ派遣会社から」の紹介で仕事をしていれば育休の対象となります。

たとえば、1~4月まではA社、5~8月まではB社、9~12月まではC社に派遣された場合でも、派遣元がすべてテンプスタッフなら育休の条件は満たしています。

派遣元が同じなので育休がとれる

一方、1~4月はテンプスタッフの紹介でA社、5~8月はスタッフサービスの紹介でB社、9~12月はパソナの紹介でC社のように、育休前の1年間で派遣元が変わった場合は対象になりません。

派遣元が違うので育休は取れない

2.育休期間の終了後も派遣契約が続く見込みがある

具体的には、子どもが1歳6ヶ月(特別な事情がある場合は2歳)になるまでに派遣会社との雇用契約が終わらない、または更新する見込みがあることが育休取得の条件です。

育休とは、復帰を前提として育児のために会社を休むことです。

ですから、そもそも育休後に職場復帰できない人(育休中に派遣契約が切れる人)や、育休後に同じ派遣会社で働くつもりがない人は取得できません。

3.週の「所定労働日数」が3日以上ある

育休が取得できるのは、基本的に週3日以上勤務している人です。

「所定労働日数が週2日以下の労働者は育休の対象外にできる」と育児・介護休業法で定められているためです。

「2日以下」には2日も含まれるため、育休が取得できるのは週3日以上働いている人ということになります。

また、日雇いや単発派遣で働いている人も育休の対象外となります。

育休中にもらえるのは「育児休業給付金」

給料の出ない育休中の生活をサポートするために、雇用保険から支給されるのが「育児休業給付金」です。

育児休業給付金をもらえる条件

【派遣社員が育児休業給付金をもらえる条件】

  • 雇用保険に加入している
  • 育児休業の開始日前2年間に、11日以上働いた月が12ヶ月以上ある
  • 育児休業中に働いている場合、1ヶ月ごとの給料が休業に入る前の8割以下
  • 育児休業中に働いている場合、就業日数が1ヶ月に10日以下

育児休業給付金は、ママもパパももらえる

産休に伴う「出産給付金」がもらえるのはママだけですが、「育休」に伴う「育児休業給付金」はパパももらえます。

受給開始時期は異なりますが、受給期間は、どちらも原則子どもが1歳になるまでです。

  • ママ:産後8週間以降~子どもが1歳になるまで
  • パパ:出産予定日~子どもが1歳になるまで

ママは、産後8週間までは産休なので、育休が始まる産後8週間以降から「育児休業給付金」が支給されるというわけですね。

育児休業給付金でもらえるお金

育児休業給付金は、育休開始から半年は賃金の67%、半年以降は50%となります。

  • 育休開始から6ヶ月間:育児休業前の賃金の67%
  • 育休開始から6ヶ月以降:育児休業前の賃金の50%
名称 育児休業給付金
支給金額 育児休業取得日から6ヶ月は67%/6ヶ月以降は50%
手続き方法 派遣会社から2種類の申請書もらい記入する(申請は派遣会社が行う)
受給のタイミング 育児休業開始から約3ヶ月後

産休中・育休中は社会保険料が免除される

産休中と育休中は、社会保険料が免除されます。

また、この間派遣会社から給料をもらっていなければ、所得税も雇用保険料もかかりません。

ですから、出産手当金と育児休業給付金を受給できれば、給料がない産休~育休中でも、家計のダメージは最小限に抑えられます。

産休・育休の申し出から復職までの流れ

この章では、派遣会社に産休・育休の申し出をしてから復職するまでの一連の流れを紹介していきます。

「産休」の申し出から復職までの流れ
1.産前休暇の申し出をする
妊娠がわかったらできるだけ早く産休の申し出をします。育休も続けて取る場合は、一緒に申請しておきましょう。

2.産休に入る
産休は出産予定日前6週間前(42日)~産後8週間(56日)までです。

3.復職
育休を取得しない人、育休期間まで契約がない人は、産後8週間経過後からお仕事開始となります。
※本人の希望と医師の許可があれば産後6週間から就業可能です。
「育休」の申し出から復職までの流れ
1.育休の申し出をする
育休開始日の1ヶ月前までに派遣会社に申し出をします。

2.育休に入る
原則は子どもが1歳まで、場合によっては2歳まで延長可能です。延長を希望する際は、1歳の誕生日の2週間前までに申し出する必要があります。

3.復職

実際に派遣社員は産休・育休を取得できるの?口コミアンケートから分かった現実

ここまで、派遣社員が産休・育休を取る方法について紹介していきましたが、実際問題として、派遣社員が産休や育休を取ることは可能なのでしょうか。

【産休・育休が取得できた人の口コミ】

  • 大手派遣会社で5年間勤務しており、産休と育休を取得しました。(事務職)
  • 勤続年数2年半ほどの先輩が、産休・育休のため約半年休んでいました。(製造業)
  • 産休と育休を2回ずつ取得しました。1回目は勤続4年目、2回目は勤続6年目です。(自動車保険のコールセンター)
【産休・育休が取得できなかった人の口コミ】

  • 妊娠して制服が入らなくなるくらいお腹が大きくなったら退職するという暗黙のルールがあり、みんなそうしていました。一旦退職し、保育園が決まってから、新しい会社を紹介してもらう形でした。
  • 産休ではなく契約満了となり、出産後希望があれば再契約という形でした。
  • 取得している人はまわりにいませんでした。産休・育休を取る必要がある人はみなさん契約を終わらせていました。

「産休や育休を取ったことがある」「周りに取得した人がいる」という場合、取得した人自身が長期間同じ派遣会社で働いているケースが多くみられます。

派遣会社からの信頼があり、産休・育休を取得したあとにまた働いてほしいと担当者に思ってもらえることで、取得しやすくなることがわかります。

一方、派遣先企業の立場で見ると、派遣社員は、

  • 人員が足りないときの補充要員
  • 新規事業起ち上げやプロジェクトをスタートする際の人材確保
  • 正社員が産休を取る際の補充要員

として採用することも多いため、穴が空いた場合はすぐに新しい派遣社員を補充しなければなりません。

そのため、産休や育休を取る必要がある場合は、「契約満了」「更新はなし」という形になってしまうことも少なくないのが現状と言えます。

産休・育休取得後も安心して働けるおすすめの派遣会社

産休や育休取得後は、子育てとお仕事を両立させなければいけません。

今までとは生活リズムが変わり、フルタイム勤務が難しくなったり、子どもが熱を出して仕事を休まなければいけなくなったりすることもあるでしょう。

そこでこの章では、産休や育休後も働きやすい環境が整ったおすすめの派遣会社を紹介します。

【テンプスタッフ】ママが使える福利厚生が充実

産休・育休後も働くママに嬉しい福利厚生サービスが充実しています。

東京23区内に限れば、時短、週3日など、「週5フルタイム以外」の就業形態に特化した仕事を紹介している部門もあります。

【おすすめポイント】

  • 保育所のサポートがある(首都圏のみ)
  • ベビーシッターサービスが割引価格で利用できる
  • 今までのキャリアを活かし時短勤務で働ける

テンプスタッフの派遣登録はこちら

【リクルートスタッフィング】出産費資金貸付が利用できる

リクルートスタッフィングでは、出産費資金貸付が利用できます。

「直接支払制度」がない産院で出産した場合、退院時に40~50万円の分娩費用を用意しなければなりません。

リクルートスタッフィングでは33万6,000円まで貸付可能で、借りた分は出産一時金42万円を受け取ったあとに相殺できます。

また、仕事と育児の両立をしやすい「時短勤務」「週4日勤務」の扱いを増やしています。

【おすすめポイント】

  • 出産費資金貸付が利用できる
  • 時短・週4日勤務の求人増加中
  • 小学館グループや国が実施するベビーシッター割引サービスが受けられる

リクルートスタッフィングの派遣登録はこちら

【パソナ】育児サポートが充実

パソナは、登録者が利用できる「パソナファミリー保育園」やベビー・キッズシッターサービスなど、ママの負担を軽くする育児サポートが充実しています。

また、産休・育休についての相談窓口があるので、「手続き方法がわからない」「休業中の手当はどれくらいもらえるの?」など問い合わせることができます。

●問い合わせ先0120-452-887(平日9:00~19:00)
【おすすめポイント】

  • ベビー・キッズシッターや家事代行サービスが利用できる
  • パソナファミリー保育園が無料で利用できる(大手町)
  • 時短・勤務日数限定・残業なしの仕事多数

パソナの派遣登録はこちら

まとめ

法律的には、派遣社員でも産休・育休とも取得できます。

また、出産育児一時金はもちろんのこと、条件が合えば「出産手当金」「育児休業給付金」といったお金ももらえます。

ただし、派遣社員は有期雇用(契約期間がある雇用形態)なので、派遣先企業には「契約を更新しない」という選択肢があります。

そのため、産休や育休を取りたいと思っても、「契約満了」や「更新なし」となるケースも少なくないことを理解しておく必要があります。


  • このエントリーをはてなブックマークに追加

派遣会社を探す

地域
職種
 
 
 
特長