派遣社員の残業代はいくら稼げるのか120名に口コミ調査

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「残業はしたくない」という人がいる一方で、「収入を増やすために残業をしたい」と思っている人も多いのではないでしょうか。

当社が派遣社員120名に行った残業に関するアンケート形式の口コミ調査結果でも、半数以上の人が「残業はあった方が良い」と回答しました。

残業はあった方が良いと思う?

  • 残業は時給が割り増しになるのでうれしい
  • 祝日の多い月は残業があると家計が助かる
  • 派遣は時給制なので、残業すれば収入に直結するのが良い

残業は必ずしも悪いことではなく、「収入アップの手段」として前向きに考えている人も少なくないことがわかります。

そこで今回は、「派遣社員は残業代でどれくらい稼げるのか?」また、意外に知られていない「残業のルール」や「時給の計算方法」について解説していきます。

読めば残業の仕組みがわかり、効率よく、また損することなく残業代が稼げますよ。

ぜひ、参考にしてみてください。

派遣社員の65%は残業をしている

政府が推進する「働き方改革」により、近年はできるだけ残業を「しない」「させない」方針の企業が増えています。

そこで当社では、派遣社員120人に「あなたが派遣された企業では残業があったか?」という質問したところ、65%の人が「残業はあった」と回答しました。

残業のあるなし

ただし、派遣社員は仕事探しの時点で「残業の有無」を選択できます。

定時で帰りたい人は「残業なし」を、残業して稼ぎたい人は「残業あり」を条件に仕事が探せるのです。

働き方を自由に選べるのが派遣社員の大きなメリット。その時々のライフスタイルに合わせ、残業の有無を選択しましょう。

【実際いくら稼げるの?】派遣社員75人の口コミからわかる1ヶ月の残業代

「残業があった」と口コミ回答した派遣社員75人に、実際残業でいくら稼げるのか職種別に聞いてみました。

職種 平均残業時間/月 残業代/月 繁忙期
IT・エンジニア系 28時間 20,000~90,000円 ほぼ毎日
軽作業・工場系 22時間 2,000~90,000円 7~8月/年末
販売・接客業 22時間 20,000~30,000円 イベント時/年末/3月
営業 20時間 45,000円 年末年始
事務 17時間 3,000~60,000円 締め日前後/決算月/年末
イベントスタッフ 4時間 6,000円 夏休み

平均残業時間が最も多いのは「IT・エンジニア系」。残業だけで40時間、月平均90,000円稼いでいる人もいました。

IT・エンジニア系の仕事は納期がきついケースが多く、クライアント対応も多いことから、残業が発生しやすい傾向にあります。

軽作業・工場系の仕事は、年末や7~8月が繁忙期です。

お中元が増える夏場やお歳暮の時期、工場が長期休業に入るお盆や年末前に仕事が増えるためです。

工場では、月60~80時間と法的にグレーな残業をしている人もいましたが、繁忙期に残業が激増することは実際多いです。

販売・接客業は、夏やクリスマスなどのセールやイベント時、また年末や決算時期の3月が忙しくなるため残業が増えます。

残業代を稼ぎたい人は、それぞれの職種の繁忙期を狙うのがおすすめですね。

派遣社員が残業できる上限時間

生活や貯蓄のために「できるだけたくさん残業をして稼ぎたい」と思っている人も多いかもしれませんが、残業時間には上限があります。

【原則】

  • 1ヶ月45時間
  • 年360時間

【臨時的な特別の事情がある場合】

  • 時間外労働:年720時間
  • 時間外労働+休日労働:月100時間未満、2~6ヶ月平均80時間以内

(※中小企業は2020年4月施行)

残業時間の上限は労働基準法で定められており、上限を超えて働かせると企業が罰則の対象となってしまいます。

そのため、たとえ派遣スタッフが望んでも、無制限に残業ができるわけではありません。

「臨時的な特別な事情」とは?
  1. 決算業務時期
  2. ボーナス商戦に伴う業務の繁忙期
  3. 納期がひっ迫したとき
  4. 大規模なクレームやトラブルへの対応があるとき

知らずに上限を超えて残業をしても、派遣スタッフが罰せられることはありませんが、ブラックな企業の場合、罰則を避けるために残業をなかったことにする、つまり「サービス残業」をさせられる可能性があります。

派遣会社任せではなく、残業時間は自分自身でも把握しておきましょう。

何分単位で残業代がつくかは派遣会社に確認しよう

せっかくの残業代が無駄にならないように、何分単位で残業代がつくのか派遣会社に確認しましょう。

残業が何分単位でつくかは派遣会社によって違うため、端数分が切り捨てられ、無駄働きしてしまう可能性があるからです。

労働基準法第24条では「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない」と定められていますが、「◯分単位で」という厳密な決まりはないため、派遣会社が独自に決めているんですね。

当社が派遣社員に行った口コミアンケートでは、

  • 15分単位:25人
  • 30分単位:12人
  • 5分単位:11人

上記の単位で残業代がついていたという回答が多かったです。

つまり、15分単位なら14分まで、30分単位なら29分まで、5分単位なら4分までの残業分が切り捨てられる可能性があるということです。

きっちり残業代をもらうために時間稼ぎをするのはNGですが、派遣会社に何分単位で残業代がつくかを確認し、労働が無駄にならないよう仕事量を調整する必要はありそうです。

一口メモ

企業側が、1日単位で端数の残業代を毎回切り捨てることはNGとされています。ただし、1ヶ月分を通算する際は、30分未満の端数は切り捨て、30分以上の端数を切り上げることが認められています。(例:10時間20分→10時間/10時間45分→11時間)

派遣社員は残業代が割り増しになる?残業代の計算方法

「派遣社員は残業分の時給が割増料金になる」と聞いたことがある人もいると思います。

実は、残業代は「割り増しになる場合」と「ならない場合」があります。

これは、「法定労働時間」と「所定労働時間」の違いによるものです。

「法定労働時間」と「所定労働時間」の違い

「法定労働時間」とは、労働基準法で定められた「これ以上労働者を働かせてはいけません」という労働時間の上限のこと。

正社員・派遣社員・パートなど雇用形態に関わらず、法定労働時間は、1日8時間/週40時間と決まっています。

一方、「所定労働時間」は、会社独自に定めた1日あたりの労働時間です。

法定労働時間の範囲内であれば、「9時~17時まで」「8時半~17時半まで」のように自由に設定できます。

また、派遣社員やパートタイマーのように「9時~14時まで」など短時間での設定も可能です。

【法定労働時間と所定労働時間の違い】
  • 法定労働時間とは…法律で決められた労働時間の上限。1日8時間/週40時間
  • 所定労働時間とは…各企業や契約ごとに決められた1日の労働時間。法定労働時間内で自由に設定できる

「法定労働時間」を超えた残業が割り増しになる

派遣社員の残業代が割り増しになるのは、「法定労働時間」を超えた分です。

つまり、「1日8時間、週40時間」までは通常の時給、超えた分が25%の「割増賃金」となります。

具体的な例を見ていきましょう。

【ケース1】残業が割増料金になる

    【フルタイム勤務のAさん】

  • 就業時間9時~18時(休憩1時間/実労働8時間)
  • 週5日勤務
  • 時給1,000円
労働時間 残業
8時間 2時間
8時間 なし
8時間 1時間
8時間 なし
8時間 2時間
週合計 40時間 5時間

Aさんは、通常勤務で週に40時間の労働をしているため、法定労働時間を超える5時間分の残業は25%の割増料金になります。

  • 通常勤務分:1,000円×40時間=40,000円
  • 残業分(25%割り増し):1,250円×5時間=6,250円

【ケース2】残業が割増料金にならない

    【時短勤務のBさん】

  • 就業時間9時~15時(休憩1時間/実労働5時間)
  • 週5日勤務
  • 時給1,000円
労働時間 残業
5時間 2時間
5時間 なし
5時間 1時間
5時間 なし
5時間 2時間
週合計 25時間 5時間

Bさんは時短勤務をしているため、通常勤務は週に25時間。5時間残業しても「1日8時間、週40時間」の法定労働時間を越えないため、残業代は通常の時給1,000円となります。

  • 通常勤務分:1,000円×25時間=25,000円
  • 残業分(割り増しなし):1,000円×5時間=5,000円

【ケース3】残業が割り増しかどうかは派遣会社の規定次第

    【フルタイム勤務のCさん】

  • 就業時間9時半~17時半(休憩1時間/実労働7時間)
  • 週5日勤務
  • 時給1,000円
労働時間 残業
7時間 0時間
7時間 2時間
7時間 2時間
7時間 0時間
7時間 0時間
週合計 35時間 4時間

Cさんの場合、会社の所定労働時間は7時間なので週5日フルで働いても法定労働時間の40時間は超えません。

一方で、火曜と水曜は法定労働時間の1日8時間を超えて残業をしています。

この場合、「1.週のトータルが週40時間未満なので残業代は割り増しにしない」とするか、「2.火曜と水曜の残業分は割り増しにする」とするかは派遣会社の規定によって異なります。

【1の場合】

  • 通常勤務分:1,000円×35時間=35,000円
  • 残業分(割り増しなし):1,000円×4時間=4,000円

【2の場合】

  • 通常勤務分:1,000円×35時間=35,000円
  • 残業分(一部25%割り増し):(1,000円×2時間)+(1,250円×2時間)=4,500円

割り増しになるかならないかは、派遣契約を結ぶ際に派遣会社の担当者に確認しましょう。

深夜残業・休日出勤も割り増しになる

深夜残業や休日出勤をした場合も、通常の時給より割り増しになります。

深夜残業は50%割り増し

22時~翌朝5時までは「深夜労働」となり、25%割り増しとなります。

この時間に残業をすると、時間外労働(25%割り増し)+深夜労働(25%割り増し)で50%割り増しとなります。

時給1,000円の人は、時給1,500円ですね。

休日出勤は「法定休日」と「法定外休日」で割増率が違う

ひとくちに休日出勤と言っても、「法定休日」に出勤する場合と「法定外休日」に出勤する場合では割増率が異なります。

  • 法定休日:法律で定められた休日。最低でも1週間に1回または4週間に4回、事業主が労働者に与えなければならない
  • 法定外休日:法律で定められた週1日の休日とは別に、企業が独自で設けている休日。例えば週休2日制の場合、1日は「法定外休日」になる

「法定休日」は35%割り増し

「法定休日」に出勤した場合、時給は一律35%割り増しとなります。1日8時間以上働いた場合でも、それ以上の割り増しはありません。

ただし、深夜労働(22時~翌朝5時)の場合は、休日出勤35%+深夜割り増し25%で60%割り増しとなります。

「法定外休日」は法定労働時間内なら割り増しなし、法定労働時間外なら25%

「法定外休日」に出勤した場合、1日8時間/週40時間の法定労働時間内であれば割増料金はありません。

法定労働時間外や深夜残業の場合は、以下の割増料金となります。

残業の種類 割増率
法定労働時間(1日8時間/週40時間以内 割り増しなし
法定労働時間(1日8時間/週40時間以上 25%割り増し
法定労働時間+深夜残業(22時~翌朝5時) 25%割り増し
法定労働時間+深夜残業(22時~翌朝5時) 50%割り増し

残業代が給与に反映されていないときは派遣会社に問い合わせる

  • 残業をしたのに残業代が反映されていない
  • 自分で計算したよりも残業代が少ない

上記のような場合は、派遣会社に問い合わせてください。

毎月の給料や残業代を払っているのは、派遣先の企業ではなく「派遣会社」だからです。

単に派遣会社のミスかもしれないですし、金額が少ない場合は派遣会社と派遣スタッフ間における「残業代の計算方法の認識違い」という可能性もあります。

未払いの残業代は、後から請求することもできるので、タイムカードの出勤・退勤時間をメモしておくと安心です。

派遣会社へ問い合わせても対応してくれない場合は、労働基準監督署に相談してください。

残業規定がある場合は「急な残業」も断れない

「友だちと約束があるのに残業を頼まれてしまった。」

そんな経験はありませんか?

「友だちとは前から約束してたし…残業を断っても良いよね?」

そう思う気持ちはわかりますが、契約内容に「残業がある」と記載されている場合は、基本的に断ることはできません。

契約書に明記されている場合、企業には残業を命令する権利があるからです。

ただし、どうしても断りたい場合は、「今日はどうしても残業できないが、その代わりに就業時間内でできる限りの仕事を行う」「今日できないぶん、翌日に対応する」のように代替案をあげ、上司の理解を得るよう努力しましょう。

たびたび残業を断ると、信頼を失い、上司や同僚との関係もうまくいかなくなる恐れがあります。

「残業あり」の仕事を選んだ場合は、急な残業をする可能性もあることを覚えておきましょう。

残業は「36協定」を結んでいる場合のみできる

最後に大前提として、残業をするためには派遣スタッフと派遣会社・派遣先企業が「36(サブロク)協定」を結んでいる必要があります。

36協定とは?:労働基準法第36条の「時間外・休日労働に関する協定届」のこと。

労働者に、法律で決められた時間(法定労働時間)以上の仕事をさせる場合は、あらかじめ書面で協定を結ばなければいけないと法律で定められているからです。

法的に残業をさせても良い派遣会社かどうかは、派遣会社からもらった雇用契約書を見ればわかります。

雇用契約書に「時間外労働及び休日労働について」と記載した項目があれば、36協定を結んでいることになります。

反対に、記載がないのに残業をさせている場合は労働基準法に違反をしているので、ほかの派遣会社に乗り換えることをおすすめします。

下記のような大手派遣会社であれば、コンプライアンス体制を確立しているので安心です。

まとめ

近年は、「働き方改革」により残業をさせない方向に進めている企業も多いですが、それでも「残業が発生しやすい職種」や「時期」は依然としてあります。

残業で稼ぎたい人は、「残業あり」「残業多め」の求人を紹介してもらいましょう。

また、残業代を効率よく稼ぎたいならフルタイムの仕事がおすすめです。

たとえば「9時~18時(休憩1時間)×週5日」なら、通常勤務で法定労働時間の40時間に達するため、残業分の時給はすべて25%割り増しになります。

ただし、過度な労働は体や心のバランスを崩してしまいます。

私生活とのバランスを取りながら、無理のない範囲でお仕事をしてくださいね。


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