派遣の引き継ぎは面倒だからしたくない?派遣社員がスムーズに業務を引き継ぎするコツ

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あなたの退職後、仕事が滞ったり後任者に迷惑をかけたりしないために、引き継ぎ作業はとても重要です。

しかし…

  • 引き継ぎって面倒
  • 一刻も早く辞めたい
  • 何からすればいいのかわからない

と思う人も多いでしょう。

そこで当記事では、

  • 派遣社員の「引き継ぎで大変だったこと」をアンケート調査で明確化
  • 調査でわかった「大変な引き継ぎ」をスムーズに進めるコツの解説
  • 引き継ぎが終わらないときの対処法

といった手順で引き継ぎ問題の解決方法をまとめてみました。

この記事を読めば、引き継ぎの手順や優先すべきことがわかり、後任者にスムーズに引き継ぐコツがつかめますよ。

ぜひ、参考にしてみてくださいね。

派遣の引き継ぎで大変だったことワースト5

まずは、引き継ぎをするうえで「何が大変だったのか?」を知るため、派遣社員60名にアンケート調査を実施しました。

結論からいうと、「引き継ぎ期間が短い」と回答した人がダントツ1位の結果となりました。

派遣の引き継ぎで大変だったことアンケート

【第1位】引き継ぎ期間が短い

引き継ぎ期間が短くて大変だったと回答した人が、60名中24名と、全体の40%を占めました。

辞めるまでの期間が1ヶ月と短いうえに引き継ぎする内容が多く、「バタバタして忙しい」「十分な引き継ぎができない」といった声が多く聞かれました。

また、「引き継ぎの途中で後任者が辞めてしまう」ことや「後任者がちょくちょく欠勤するのでなかなか進まない」といった意見もありました。

そうなると、新しい人が入ってきた時点で残り数日しかなくその間で引き継ぎしなければいけない状態になりますよね。

引き継ぎ期間が短いことで日々が忙しくなる問題だけでなく、「終わらなかったらどうしよう」という精神的なプレッシャーを強く感じている人が多かったですね。

【第2位】引き継ぎ書の作成が面倒

引き継ぎ書の作成が面倒で大変だったと回答した人が、全体の20%いました。

引き継ぎ書をつくる理由には、

  • 会社にマニュアルがない
  • 引き継ぎをスムーズに行うため
  • 自分がいなくなったあと、後任者が困らないように
  • 引き継ぎ期間が短く、口頭で説明する時間がないため

のようにさまざまです。

引き継ぎ書の作成は、義務ではありません。

しかし、引き継ぎをしやすく後任者が理解しやすいように「自ら作成する」という人がほとんどです。

なかには、残業や家へ持ち帰ってまでつくったという責任感の強い人もいましたよ。

一方で、上司に「引き継ぎをするついでに引き継ぎ書もつくっておいて」といわれ、しぶしぶ作成しなくてはいけない人もいます。

引き継ぎ書は、引き継ぎをスムーズに行うためにかかせないものですが、「手間も時間もかかって面倒」と感じる人は多くいます。

【第3位】後任者にやる気がない/態度が悪い

後任者にやる気がない、または態度が悪くて大変だったと答えた人が、全体の13%にのぼりました。

【やる気がない/態度が悪い態度】

  • メモをとらない
  • 返事をしない
  • 質問をしない

のように説明しても反応がないため、「理解しているのか、いないのか判断できない」といった声が聞かれました。

また、「素直でない」「敬語を使わない」「私がここまでする必要がありますか?という」といった態度の悪い後任者もおり、教えにくいと感じている人もいます。

「しっかり引き継ぎを受けないとあとで困るのは後任者本人なのに…」と心配になってしまいますね。

【第4位】後任者のスキルが低い

  • パソコンスキルが足りない
  • 一般常識がない
  • 業界が未経験
  • 派遣自体が初めて

のように、後任者のスキルが低いことに苦労したと答えた人が、全体の11%を占めました。

ただでさえ引き継ぎ事項が多いのに、エクセルの使い方から業界の基礎知識、派遣の仕組みや立場などイチから教えなければならないことに「モヤモヤした」「大変だった」という声が聞かれました。

こういったケースは、派遣スタッフと派遣先企業が求めるスキルのミスマッチが原因と考えられますね。

また、企業の上層部が現場で必要とするスキルを把握していないケースも考えられます。

【第5位】後任者の仕事の覚えが悪い

後任者がなかなか仕事を覚えてくれないことに苦労したと回答した人が全体の10%いました。

何度も同じことを教えなければならないことにイライラし、わからないまま適当に処理する人に困ったという意見、また、後任者がマイペースすぎて引き継ぎが進まないという声もありました。

何度も同じことを聞く人には、「事前に引き継ぎ書に目を通して予習してもらう」「メモをとってもらう」などの工夫が必要ですね。

その他の意見

その他、以下のような回答もありました。

  • 引き継ぎと会社の繁忙期が重なって目が回るほど忙しかった
  • 自分の通常業務と並行して行うのが大変
  • 自分より年上だったので教えづらかった
  • 数ヶ月に1回しか行わない業務は実践で教えられないため、口頭で伝えるのが難しかった
  • 自分なりのやり方や感覚でやっている業務について説明するのが難しい

引き継ぎ期間や後任者を決めるのは上司なので、「なかなか自分の思うように進まない」と苦労している人が多いです。

派遣の引き継ぎ期間で最も多いのは「1ヶ月」

引き継ぎで大変だったことに関するアンケートでは、「派遣期間が短い」が第1位でした。

そこで、実際どれくらい引き継ぎ期間があったかについて聞いてみたところ、最も多かったのが60名中17名で「1ヶ月」でした。

派遣の引き継ぎ期間

引き継ぎ期間1ヶ月あった人の口コミ

1ヶ月と聞くと、引き継ぎ期間としては十分にも思われますが、さまざまな理由から
「1ヶ月あっても足りなかった」と感じている人が大半でした。

【口コミ1】
後任者が産休明けをいいことに、時短労働や検診などで休み放題していて1ヶ月あるにもかかわらず全部を引き継ぎできなかった。
【口コミ2】
教えることがかなり多く、教えるのも苦手で、すんなりとはいかなかった。
【口コミ3】
「自分でできることは何でもする」といった漠然とした仕事内容だったので、1ヶ月かかってもすべて引き継げなかった。

引き継ぎ期間5日以内の人の口コミ

引き継ぎ期間が5日以内だったという人が、全体の18%(11人)いました。

【引き継ぎ期間】

  • 1日…3人
  • 2日…1人
  • 3日…3人
  • 4日…1人
  • 5日…3人

なんと、引き継ぎが1日しかなかった人が3人もいるんですね。

【口コミ1】
伝えきれない前提で事細かに引き継ぎ書をつくることになり、その作業量が膨大で手間だった。
【口コミ2】
その日に起きた業務しか実際に一緒にできなかった。他の業務はすべて書類を縮小コピーして引き継ぎノートにまとめ、わからないことがあればいつでも連絡してもらう、ということでなんとか乗り切りました。

引き継ぎ期間が5日以内の人は、引き継ぎ書をつくってなんとかしのいだ人が多かったです。

時間が足りなくて引き継ぎが終わらないときの対処法4つ

  • 引き継ぎ期間が短すぎる
  • 教えることが多すぎて引き継ぎが全部終わりそうにない

このような場合の対処法を紹介していきます。

1.優先順位をつけて最低限必要なことを教える

引き継ぎ期間が少ない場合は、仕事に優先順位をつけて必要最低限のことから教えましょう。

引き継ぎする業務のなかには、

  • 業務をするうえで絶対に知っておかないと本人が困るもの(引き継ぎ必須)
  • 知らなくても業務に支障がでないもの(引き継ぎしなくてもOK)

があるからです。

たとえば、電話応対やお茶当番の方法は、他の人でも教えられるので業務に支障がでませんよね。

一方、あなた一人が仕事内容を把握している業務、あなた一人で行っている業務は、最優先で引き継ぎをしておかなければなりません。

とりあえず目についたものや、引き継ぎしやすいものから教えていくと重要な部分が終わらない可能性もあるので注意しましょう。

「これだけは外せない」という重要ポイントから引き継ぎしていくのがポイントです。

2.引き継ぎ書(マニュアル)を作成する

「ただでさえ時間がないのに引き継ぎ書をつくる余裕なんてない」という声も聞こえてきそうですが、時間がないからこそ、引き継ぎ書は作成した方が良いです。

最悪、引き継ぎが終わらなかったとしても、文章やデータでマニュアルを残しておけば、後任者はなんとかなるからです。

一度説明したことを何度も聞いてくる後任者に、

「それ、この前も説明したよね」

とイライラする人もいるかも知れませんが、何もわからない状態で説明を受けても理解できないため、何度も同じ質問をするのは、ある程度仕方のないことです。

引き継ぎ書があれば、後任者は自分で読み覚えられますし、実際に仕事をはじめてからあらためて見ることで、「あの説明はこういう意味だったんだ」と理解できます。

【引き継ぎ書を作成するメリット】

後任者側のメリット
・引き継ぎが完全に終わらなくても引き継ぎ書を見ればなんとかなる
・わからないところを確認できる
引き継ぎする側のメリット
・引き継ぎ事項に抜け漏れがおこりにくい
・後任者の理解が深まるので引き継ぎがラクになる
・口頭で説明する手間が省ける
・何度も同じ質問をされない
・引き継ぎが完全に終わらなくてもなんとかなる
・退職した後でも聞かれることない

こうして見ると、引き継ぎ書は引き継ぎをする側にも多くメリットがあります。

引き継ぎ期間が短い方は、ぜひ引き継ぎ書を作成してみてくださいね。

3.他に相談できる人や調べる方法を教える

引き継ぎが終わりそうにない場合は、自分が退職したあとに相談できる人や調べる方法を教えてあげましょう。

「◯◯については△△部の□□さん」といった具合に、”わからなくなりそうなこと”を想定して一覧をつくってあげると親切です。

あなた一人で担当している業務が多い場合は、周囲の何人かに少しずつ振り分け、何かあったらフォローしてもらえるようお願いしておくのも一案です。

また、たとえば経理事務なら、書類の手続き方法を直接税務署に問い合わせることもできます。

IT業界のような専門性が高い仕事であれば、その業界に精通した信頼性の高いサイトや詳しい用語解説があるサイトを教えるのもおすすめです。

わからないことがでてきた場合に、自分で聞いたり調べたりできる環境を整えてあげると良いでしょう。

4.自分の連絡先を教える

「何かわからないことがあったら連絡してね」と自分の連絡先を教える方法があります。

後任者が来てから退職までの期間が極端に短く、ほとんど引き継ぎができない場合の最終手段となります。

ただ、連絡先を教えたとしても、実際にメールや電話をしてくる人はあまりいません。

大抵は「辞めた人に電話なんかしたら迷惑がられるかも」と遠慮しがちです。

なかには、誰にも聞けずどうにもならなくて連絡してくる人もいますが、それでも数回程度で終わります。

引き継ぎが十分にできなかった場合は、後任者の不安を少しでも取り除くために連絡先を教えてあげると親切ですね。

派遣の引き継ぎ書(マニュアル)作成は義務ではない

前章では引き継ぎ書(マニュアル)の重要性について触れましたが、引き継ぎ書の作成は決して義務ではありません。

”退職する際に引き継ぎ書を作成しなければならない”という法的な定めはないからです。

実際に、

  • 自分が入社したときは引き継ぎ書なんてなかった
  • 他の人に聞いたり調べたりしてなんとか仕事を覚えた

上記のような人の方が多いことでしょう。

それなのに上司から、「後任者のために引き継ぎ書をつくってあげて」といわれても、

「自分はそんなものをつくってもらっていないし、つくる義務もない。派遣なのにそこまでする必要ある?」

と思ってしまいますよね。

しかし、引き継ぎ書は後任者だけでなく、引き継ぐ側であるあなたにもメリットがあります。

  1. 何度も同じ質問をされない
  2. 後任者の理解が深まるので引き継ぎがラクになる
  3. 引き継ぎが完全に終わらなくてもなんとかなる
  4. 退職後に質問されることがない

一見面倒に思える引き継ぎ書ですが、作成しておけば結果的にあなた自身の負担を減らせます。

引き継ぎ書があれば後任者も安心できるため、とても感謝されますよ。

決して義務ではありませんが、可能なのであれば、「あなた自身のため」にも「後任者のため」にも作成することはおすすめです。

引き継ぎ書に記載した方が良いこと

ここでは、業種、職種、部署、担当業務によってさまざまですが、引き継ぎ書に記載した方が良いことの例を紹介します。

  • 毎日の仕事の流れ
  • 月ごとの仕事の流れ
  • 年間を通しての仕事の流れ
  • 日常業務の詳細
  • 書類の作成方法や注意点
  • 担当業務の進め方(業務の流れ)
  • パソコン、ソフト、コピー機、その他備品の使い方
  • 庶務のやり方(備品発注、来客応対、電話応対、郵便物の仕分け、お茶当番、掃除など)
  • やりとりがあるお客さんや社内関係者のリスト

引き継ぎ書には、あなたが新人だった頃に「何がわからなかったか」「どんなことに困ったか」を思い出し、丁寧すぎるぐらい細かく記載すると良いですね。

あなたが普段何気なくしている仕事でも、後任者にとっては当たり前にできる仕事ではないからです。

また、数ヶ月に1回しか行わない業務やイレギュラーな業務は、引き継ぎを忘れがちなので、抜けもれなく記載しておきましょう。

派遣の引き継ぎがスムーズに進む4つのポイント

1.一度にたくさんのことを教えない

引き継ぎ期間が短いと焦ってしまい、一度にたくさんのことを教えてしまいがちですが、それはNGです。

なぜかというと右も左もわからない状態なので、理解が追いつかず頭に残らないためですね。

それどころか、「あれもこれも」と畳み掛けるように引き継ぎされるとパニックになり、最悪の場合、「私には無理」と辞めてしまう可能性もありますよ。

あなたと同じように、後任者も短期間で仕事を覚えなければならないことにプレッシャーを感じています。また、慣れない職場で緊張もしています。

すべて教えるのが無理そうなら重要なことだけに絞り、あとは引き継ぎ書に残しておく方法がおすすめです。

よほど飲み込みの良い人以外には、一度にすべて教えることは避けましょう。

2.メモをとってもらう

引き継ぎをする際は、後任者に必ずメモをとってもらうように伝えましょう。

説明した内容を自分なりにわかりやすく書くことで、下記のような効果も得られます。

  • 手を動かすことで記憶に残りやすくなる
  • 後から見直しや復習ができる
  • メモをとることで自分なりに理解ができる

本来、いわれなくても自らメモはとるものですが、社会経験の少ない人の場合メモをとる習慣がない人もいます。

さりげなく「ここは重要なのでメモをしておいてください」と促してあげると良いですね。

3.実務を一緒に行う

必ず一度は、実務を一緒にやってあげることをおすすめします。

ただ説明を聞いているだけでは右から左に流れてしまうことでも、実際に作業をしてもらった方が記憶に残りやすくなります。

たとえば2週間の引き継ぎ期間があったとしたら、最初の1週間は説明をしながら一緒に作業をして、残りの1週間は後任者がメインで行いできない部分をフォローするという形をとると良いですね。

簡単な作業やルーティンワークであれば、初めから一人でやってもらっても良いでしょう。

4.後任者と良い関係を築く

引き継ぎをスムーズに進めるためには、後任者と良い関係を築くことも重要です。

うまくコミュニケーションがとれていると教える方もスムーズですし、後任者も気軽にわからないことを質問できるからです。

後任者は慣れない職場で萎縮し、本来の力を発揮できないこともあるので、ランチに誘って親睦をはかり、緊張をほぐしてあげるのも良いでしょう。

引き継ぎで息が詰まるようであれば、お茶休憩に誘うのもおすすめです。

有給休暇は引き継ぎ期間とのバランスを考えてとる

「有給休暇は退職前に消化しないともったいない」

と考える人も多いと思いますが、有給休暇は後任者の引き継ぎ期間とのバランスを考えてとりましょう。

たとえば引き継ぎ期間が2週間なのに、1週間も有給休暇をとってしまえば引き継ぎが間に合わず、後任者や会社に迷惑をかけてしまいます。

できれば、後任者が来る前から計画的にとることをおすすめします。

やむを得ず引き継ぎ中に取得したい場合は、後任者がある程度仕事を覚えたあとなど様子を見ながらとりましょう。

同じ派遣会社で次の派遣先が1ヶ月以内(※待期期間)に決まっている場合、有給休暇の残日数は引き継げます。

※待期期間:派遣登録はしているが、企業への派遣をされていない期間のこと。

バタバタしている時期に無理に取得せず、次の職場でゆっくり取得するのもおすすめです。

※参考⇒派遣社員は有給休暇をとれるのか?取得条件・付与日数・申請方法まとめ

まとめ

「引き継ぎ期間が短い」「後任者がなかなか仕事を覚えてくれない」など、引き継ぎには苦労がつきものです。

  • 引き継ぎ事項に優先順位をつける
  • 引き継ぎ書をつくる
  • 後継者自身で調べる方法を教える

といった方法で、なんとか乗り切りましょう。

数ヶ月~数年かけてあなたが覚えた仕事を短期間で完璧に引き継ぐことは無理ですが、できる範囲で可能な限りしっかりと引き継ぎいであげると後任者も安心できます。

スッキリとした気持ちで退職できるといいですね。


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