派遣社員が交通費や通勤手当の支給あるなしで損しないための情報まとめ

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交通費ナシよりも交通費アリの派遣先で働いたほうがお得だと考えている人も多いと思います。

交通費の支給がある派遣の仕事を探すのはカンタンです。

大手派遣求人サイト内にある「フリーキーワード」の検索ボックスへ「交通費」と入力して検索ボタンを押すだけです。

ただし、交通費がある仕事のほうが必ずしも良いわけではありません。

結論から言うと、交通費アリの求人を選ぶことで損をしてしまうこともあります。

なぜなら、交通費や通勤手当には、税金が関係してくるからですね。

この記事では、派遣社員が交通費や通勤手当ありなしの仕事を選ぶうえで損をしないための情報をまとめています。

読み終わる頃には、派遣社員がもらう交通費や通勤費について深く考える必要がなくなっているでしょう。

交通費と通勤手当(通勤費)の違い

「交通費」と「通勤手当」を同じだと思っている人もいるでしょう。

結論から言うと、「交通費」と「通勤手当」の違いは、「課税対象になるかならないか」です。

●交通費(非課税)
業務命令で、労働契約書に記載されている就業場所以外へ行った際にかかる費用。たとえば、研修や出張の際にかかる移動費用を指します。
●通勤手当(一定額まで非課税)
自宅から会社までの毎日の通勤にかかる費用。電車代やガソリン代がこれにあたります。

派遣社員が毎月の給与と一緒に支給されているのは、「通勤手当」となります。

派遣会社から交通費や通勤手当の法的な支払い義務はなし

派遣のお仕事には、交通費や通勤費がアリとナシの案件があります。

「業務上でかかる通勤費用を支払うのは、派遣会社として当然の義務ではないか?」と思う人もいるでしょう。

結論から言うと、派遣会社から交通費や通勤手当の法的な支払い義務はありません。

なぜなら、労働基準法には「交通費や通勤手当を会社側が負担しなければならない」と言った規定はなく、民法第485条の方をみても「債権者(労働者)の負担」となっているからですね。

●民法第485条
弁済の費用について別段の意思表示がないときは、その費用は、債務者の負担とする。ただし、債権者が住所の移転その他の行為によって弁済の費用を増加させたときは、その増加額は、債権者の負担とする。

交通費や通勤費は派遣社員の自己負担で良いところを、派遣会社の就業規則に記載してある場合や求人案件によって、派遣会社側が負担してくれる場合もあります。

確定申告の際、1ヶ月あたり15万円までが非課税

年末の確定申告をする場合、交通費または通勤手当は、1ヶ月あたり15万円までが非課税となります。

なぜなら、車通勤している人のガソリン代は、片道の通勤距離に応じて一定の非課税限度額が設けられているためですね。

ただし、「最も経済的かつ合理的な経路及び方法」で移動した際の費用に限ります。

具体的に挙げると、バスや電車など公共機関を利用したときの費用となりますね。

1ヶ月あたり15万円を超えた分は課税対象となりますが、自宅から派遣先企業までの通勤費で課税対象を超えるケースはほとんどありません。

1ヶ月15万円を超える場合、自己負担となります。

たとえば、自宅から遠方にかけての出張がある仕事に就いた場合ですね。

交通費の自己負担がツライ場合、「派遣会社から交通費を出してもらえるのか?」を確認してから仕事に就くかどうかを決めていきましょう。

通勤手当が限度額を超える場合や自己負担している人は、確定申告時に「特定支出控除」という制度もあります。

詳しくは近隣の税務署へ問い合わせてみてくださいね。

車通勤による一定の非課税限度額

車通勤の場合、片道の通勤距離に応じて、1ヶ月あたりの非課税限度額が設けられています。

限度額を超えた分は、給与として課税されるため注意が必要です。

片道の通勤距離 1ヶ月あたりの限度額
2km未満 全額課税
2~10km未満 4,200円
10~15km未満 7,100円
15~25km未満 12,900円
25~35km未満 18,700円
35~45km未満 24,400円
45~55km未満 28,000円
55km以上 31,600円

※2019.4.1現在の法令

片道2km未満で通勤手当が支給された場合、給与として課税されます。

しかし、通常2km未満の近距離は通勤手当が支給されない場合がほとんどです。

非課税であっても給与所得には含まれる

通勤手当として支給されている場合、1ヶ月15万円までは非課税でも給与所得には含まれます。

「給与」と「通勤手当」の合計が「給与所得」となります。

つまり、所得税がかからない代わりに社会保険料(もしくは国民健康保険)に影響します。

たとえば、毎月1万円の通勤手当が出ると年間12万円となりますよね。

この12万円は給与の一部として扱われるため社会保険加入者だと、報酬月額が1等級は上がります。そうなると、毎月500円~1,000円保険料が高くなります。

通勤手当ではなく「交通費」として支給されている場合は、給与所得として取り扱いされません。

扶養控除を受けたい場合は通勤手当を別途支給で貰う

扶養控除を受けたい場合、通勤手当は別途支給で貰ってください。

別途支給の場合、非課税限度枠まで103万円に含める必要がありません。

公共交通機関だと1ヶ月最大15万円、自動車通勤だと最大31,600円までが非課税です。(※上記、車通勤による一定の非課税限度額を参考)

通勤手当が時給に含まれている場合、課税対象になるため103万円以内になるように就業時間を調整する必要があります。

交通費や通勤手当に含まれる移動手段と含まれない移動手段

交通費や通勤手当に「含まれる移動手段」と「含まれない移動手段」を表でまとめました。

「業務で移動する時の交通費」と「自宅から会社までの通勤手当」では、「最も経済的かつ合理的な経路及び方法」も異なるので一度確認しておきましょう。

移動費用 交通費 通勤手当
電車代
バス代
ガソリン代
タクシー代 ×
駐車場代
駐輪代 × ×
高速代・有料道路 ×
グリーン車 × ×

〇…含まれる、×…含まれない、△一部会社負担あり

移動手段として「最も経済的かつ合理的な経路及び方法」でない場合は、交通費や通勤手当として認められません。

例)

  • 車通勤:最短距離で通う。遠回りはNG
  • 電車・バス通勤:3ヶ月契約の場合3ヶ月定期を購入し、3で割って1ヶ月の通勤費を算出する(期間が長い方が定期代が割安になるため)

2km未満の移動は基本徒歩になります。移動に自転車を使って駐輪代が必要になっても、交通費として認められないため自己負担です。

派遣会社よって、交通費や通勤手当の規定は異なるので契約時に確認しておきましょう。

駐車場代は一部会社が負担してくれる場合もありますが、給与所得へ含まれるため課税対象となります。

交通費の支給アリよりも支給ナシのほうがお得になる可能性が高い

派遣社員として働く中で、交通費の支給があったほうがお得と考えている人も多いと思います。

結論から言うと、交通費の支給アリよりも支給ナシのほうがお得になる可能性は高いです。

たとえば、「交通費アリ」と「交通費ナシ」の両対応をしている求人案件を例に話をしていきますね。

  • 交通費なし:時給1,300円
  • 交通費あり:時給1,200円+交通費上限10,000円

以下、交通費アリと交通費ナシの年収を比較してみました。

交通費アリ 交通費ナシ
1日の給与 9,000円 9,750円
1ヶ月(21日)の給与 189,000円 204,750円
交通費 10,000円(上限) 0円
1ヶ月の給与合計 199,000円 204,750円
年収 2,388,000円 2,457,000円

比較してみた結果、交通費ナシのほうが、「1ヶ月5,750円」「年間69,000円」お得となりました。

次に、交通費アリだと交通費が非課税になるため、所得税の面で金額差がいくら出るのかを計算してみました。

●交通費アリ
2,388,000円-1,030,000円-120,000円=1,238,000円
1,238,000円×5%-0円=61,900円
●交通費ナシ
2,457,000円-1,030,000円=1,427,000円
1,427,000×5%-0円=71,350円

計算した結果、交通費アリのほうは、9,450円所得税の節約ができる事になります。

ただ、所得税が9,450円節約できても、交通費ナシの時給1,300円で働いたほうが年収で見ると約6万円も多く稼げることがわかります。

通勤手当を引くと最低賃金より下回る時給でも違法ではない

通勤手当が時給に含まれる求人案件で、実際にかかった通勤費用を差し引くと最低賃金を下回るケースもありますが、違法ではありません。

なぜなら、通勤手当は本来支払われなくて良いものなので、支給される場合でも金額は会社によって様々だからです。

派遣社員の交通費・通勤手当に関するアンケート調査

では、実際に交通費・通勤手当はどれくらいの人が貰っているのかを派遣社員100人にアンケート調査しました。

交通費・通勤手当アリは46人、ナシは54人

交通費ナシ54人、交通費アリ46人となったことから、半々と言って良い結果となりました。

続けて、交通費・通勤手当をもらっていた上記46人を対象に「全額支給だったか?」「一部支給だったか?」を聞いてみました。

交通費・通勤手当をもらっている46人中28人が全額支給

交通費・通勤手当をもらっている46人中28人と半数以上の人が全額支給されています。

交通費・通勤手当をもらっている46人の職種

交通費・通勤手当をもらっている46人それぞれの職種についても聞いてみました。

職種 人数(全46人)
事務 13人
軽作業・製造業 13人
販売・飲食業 10人
コールセンター 3人
その他 7人

交通費・通勤手当を貰っている46人の職種をみてみると、事務や軽作業の人が多いことがわかります。

交通費・通勤手当ナシ54人の自己負担額

交通費・通勤手当ナシと答えた54人の自己負担額を表にまとめました。

交通費自己負担額の表

自己負担額 人数
0~3,000円 16人
4,000~6,000円 7人
7,000~9,000円 10人
10,000~12,000円 8
13,000~15,000円 6人
16,000~19,000円 5人
20,000~23,000円 2人

0円の人は、徒歩通勤です。3,000円までの自己負担が1番多いですが、全体の自己負担の平均は約9,700円でした。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

派遣社員の交通費や通勤手当で損しないためには、「交通費アリ」よりも「交通費ナシで高時給の案件」を探しましょう。

勤務先は自宅から近い所を選び、なるべく交通費・通勤手当がかからないようにするのがコツです。

それが難しい人は、交通費ありでも全額支給してくれるお仕事の案件を探しましょう。その時、一般的な時給より安い案件はやめておいたほうが無難です。


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