「とりあえず3年」は根拠なし?新卒3年以内で転職した理由ランキング

「もうこの仕事を辞めたい」「人間関係に疲れたから転職したい」と思っても、新卒で入社したばかりの人は「あまりに離職が早いと不利になるのでは」と考えるのではないでしょうか。

周りに相談しても「もう少し頑張ってみたら」「石の上にも3年だよ」と言われるかもしれません。

しかし実際には新卒3年以外に転職し「転職してよかった」と満足している人も。

今回は新卒3年以内に転職した経験がある498人を対象にアンケートを実施。

「転職の理由」や「新卒3年以内の転職が不利になるか」について聞きました。

【調査概要】

  • 調査対象:新卒3年以内に転職した経験がある人
  • 調査日:2021年6月29日~7月11日
  • 調査方法:インターネットによる任意回答
  • 調査人数:498人(女性328人/男性170人)

新卒3年以内の転職 属性

新卒入社から3年以内で転職した理由1位は「仕事内容が合わない」

まず新卒3年以内に転職した理由について聞いたところ、回答は以下のようになりました。

上位10位までをランキング形式で紹介します。

新卒3年以内で転職した理由ランキング

1位は「仕事内容が合わない」です。

2位以下には「人間関係が悪い」「勤務時間・休日への不満」が僅差で続きます。

現状への不満から転職を決意した人が多くなか、5位には「他の仕事がしたい」も入りました。

11位以下には「スキルアップしたくて」といった回答も入っています。

では具体的な回答を紹介します。

1位 仕事内容が合わない

  • 営業職が自分には向いていないと感じたので(20代女性)
  • 希望ではない部署に配属され、希望の職種に就くために転職した(30代男性)
  • 入社後に配属された部署があまりにも畑違いだったので、やる気をなくしてしまいました(40代女性)

「新卒3年以内に転職した理由」第1位は「仕事内容が合わない」でした。

「営業職が向いていないと感じた」「単調な仕事内容に飽きた」などの回答が寄せられました。

また「技術職で採用されたのに、営業に配属された」など、採用・入社時に聞いていた仕事ではなかったため転職したという人も。

「営業職採用だったのに倉庫の在庫管理に回された。3ヶ月我慢してと言われたが、1年経っても異動できなかったので転職した」という人もいました。

2位 人間関係が悪い

  • 当時の店長とどうしてもそりが合わなかったため(20代女性)
  • 上司の度重なるからかいに耐え切れなくなり、病気になってしまいました(30代女性)
  • 上司との関係が悪く、体調を壊してしまったため(50代男性)

2位になったのは「人間関係が悪い」でした。

「新人いじめや嫌がらせを受けた」「職場になじめなかった」という体験談が多数寄せられています。

人間関係が原因で体調を崩したという人も目立ちました。

また直接自分がいじめを受けたわけではないものの「社長と社員が毎日のように大声で怒鳴りあっていたから」「上司の先輩に対するイジメが度を越していたため」転職したという人もいました。

3位 勤務時間・休日への不満

  • 労働時間が12時間を超える日がほとんどで、夏休みもほぼなかったため(20代女性)
  • 出版社の編集部で毎日終電までの勤務。土日も撮影が入るなどプライベートの時間がまったく取れなかったため(30代女性)
  • 残業や休日出勤が多く、自分の時間がとれなかった(50代男性)

3位は「勤務時間・休日への不満」です。

「残業や休日出勤が多い」「休みがとりにくい」などの理由で転職した人も多数。

休みのとりにくさに関しては「有給休暇は病欠以外却下された」という体験談も。

「残業代で稼げたので給料は増えましたが、お金より時間が欲しいと思うようになりました」という人もいました。

4位 収入をあげたい

  • 転職先からのオファーで給料1.8倍を提示していただいたため(20代男性)
  • 正社員で初任給が手取り8万円と安月給だった(30代女性)
  • 経営不振で給料カットが続き、年収も落ちたため(40代女性)

4位には「収入をあげたい」がランクイン。

「給料が少ない」「業務量に見合わない」などの回答が多く寄せられました。

「社歴10年目の先輩の給与額を聞いて、このまま会社にいても稼げないと思った」という人も。

また売上減少や経営不振で給料やボーナスが減ってしまったため転職を決意した人もいました。

5位 他の仕事がしたい

  • 保育士をしている友人達の話を聞いているうちに、自分も保育士として働きたいと思い転職を決意しました(20代女性)
  • 簿記の資格を活かして、事務系の職種へ転職したいと思ったからです(30代男性)
  • もともと他に本命の会社があり、そこに入社するまでの繋ぎとして入ったので(50代男性)

5位にライクインしたのは「他の仕事がしたい」です。

「学生時代に取得した資格を活かしたい」「本当にやりたい仕事に挑戦したい」と転職した人も多いとわかります。

本命の職種に挑戦するため、働きながら資格をとった人も。

また「違う仕事をしてみたかった。若ければ若いほど転職しやすいと考えた」と、若いうちに転職しておこうと考えた人もいました。

6位 ハラスメントを受けた

  • セクハラと感じられる職場での上司の態度(20代男性)
  • パワハラ、モワハラに耐えられなかったため(30代女性)
  • 上司があまりに不条理な仕事ばかり押し付けてきて、そのパワハラぶりに嫌気が差して転職することに決めました(40代男性)

6位は「ハラスメントを受けた」でした。

具体的には「毎日理不尽に怒鳴られる」「激しく叱責される」など。

「ハラスメントが横行しており、身の危険を感じた」という人も。

また中には「社員旅行での混浴の強要」という、にわかには信じられないような体験もありました。

7位 将来に不安を感じた

  • 業界の不安定さ(20代男性)
  • 新卒入社の会社が業界的に下降気味になったこと(30代女性)
  • 働いていて自分の未来像がまったく見えてこなかったから(40代男性)

7位は「将来に不安を感じた」でした。

「会社の業績が下がっている」「業界全体が縮小傾向」など、会社の先行きが不安になり転職した人が目立ちました。

また「会社の取扱商品が変わった」「会社が日常的に法律違反をしていた」などの理由で不安を覚えた人も。

「長く勤務するイメージが湧かなかった」など、自分のキャリアを考えたときに不安に感じた人もいました。

8位 勤務地への不満

  • 通勤時間の長さです。往復3時間ほどかかっており、座れない満員電車だったのでしんどくなりました(20代女性)
  • 求人では転勤なしだったのに、突然の転勤を命じられた(30代男性)
  • 配属された勤務地が希望していた勤務地とかけ離れていたから(50代男性)

8位は「勤務地への不満」でした。

「当初聞いていた勤務地と違った」「勤務地が遠すぎた」などの理由が挙がりました。

また「転勤の頻度が多すぎた」「転勤なしのはずが、転勤しろと言われた」という人も。

「事業所が閉鎖になり、本社に転勤することになったから」と予期せぬ異動をきっかけに転職した人もいました。

9位 社風になじめない

  • 会社の人と価値観が合わなかったため(20代女性)
  • 親会社と統合され、親会社へ異動したら雰囲気が合わなかった(30代女性)
  • 組織体質が保守的で、職歴が浅いというだけで意見を聞こうという姿勢が見られなかったので転職を決断しました(50代男性)

9位は「社風になじめない」でした。

「社内の雰囲気が暗くて自分に合わない」「職場の風土に限界を感じた」などの回答が寄せられています。

中には「入社式の社長のスピーチから違和感を感じていました」という人もいました。

10位 引越しのため

  • 家を引っ越さなければならなかったので(20代男性)
  • 地元を離れて就職したものの、将来設計を考えるとやはり地元に帰りたいと考えるようになったため(30代女性)
  • 大阪で働いていましたが、結婚相手の住まいに合わせて東京の会社に転職しました(40代女性)

10位は「引越しのため」でした。

引越しの理由は「結婚」「海外移住」「Uターン」「趣味のため」「家族の介護」などさまざま。

また「寮生活が合わず、寮を出たくて転職した」という人も2人いました。

新卒入社から1年以内で転職した人が約4割

続いて「あなたは新卒入社から、何年(何ヶ月)で転職しましたか?」と聞いたところ、回答は以下のようになりました。

新卒からどれくらいで転職したか

4割以上が1年以内に転職していることがわかります。

半年以内に転職した人も20.1%と約2割。

「石の上にも3年」「転職するならとりあえず3年働いてから」とよく言われますが、もっと早い時期に転職している人も多いとわかります。

なかには「2週間で辞めた」という人もおり、理由は「ハラスメントと慢性的な残業」でした。

また入社1ヶ月で会社都合により解雇された人もいました。

新卒入社から3年以内の転職を不利と感じた人は34.8%

続いて「新卒入社から3年以内の転職を不利と感じたか」と聞いたところ、回答は以下のようになりました。

新卒から3年以内の転職を不利と感じたか

「不利と感じた」「まあ感じた」という回答は合わせて34.8%。

「あまり感じなかった」「全く感じなかった」と答えた人のほうが多くなりました。

「職歴が短いと不利」と言われることもありますが、最近では第二新卒専門の転職サービスなどもあるため、あまり支障を感じないのかもしれません。

なお転職した時期別に回答を比較してみると、以下のようになります。

期間別 新卒3年以内の転職を不利と感じたか

転職した時期が早いほど、「不利だと感じた」「まあ感じた」と答えた人が多くなりました。

ではどんな点で不利だと感じたのか、具体的な回答を紹介します。

新卒入社から3年以内の転職を「不利と感じた」人の理由

  • すぐにやめてしまった根性のない人だと思われるのか、面接で離職理由を深く追求されたから(20代女性)
  • 社会人経験も乏しく、転職するには自分の強みとなるものがなかったため中途採用になかなか至らなかった(30代女性)
  • 面接で辞めた理由を聞かれ、否定的な意見を言われた(50代男性)

不利と感じた人からは、「アピールできるスキルや経験がない」「根気がないと思われる」「転職理由を詳しく聞かれる」などの回答が寄せられました。

「第二新卒という言葉もあるけど、まだまだ日本は1つの会社に長く勤めることを良しとする風潮がある」という意見も。

また「転職エージェントに登録しようとしたら、門前払いされてしまった」という人もいました。

新卒入社から3年以内の転職を「不利と感じなかった」人の理由

  • 第二新卒として採用してもらえたため、経歴より学歴やポテンシャルを見てもらえたから(20代女性)
  • 転職先が新卒入社後何年働いていたのかを気にせずに、スキルやコミュニケーション能力を評価してくれたため(30代男性)
  • 次の仕事は資格が必要な仕事だったので、資格さえ取ればすんなり就職できた(40代女性)

不利と感じなかった人からは、「資格があったから」「第二新卒枠で、人柄重視の採用だったから」「人材不足の業種だったから」などの回答が寄せられています。

「退職した理由がはっきりしていたため、不利とは感じなかった」「転職者が多い業界だから不利にならない」などの意見も。

「1社目で転職成功した」「新卒では絶対入れなかったであろう大手企業に入れた」などの成功体験を寄せてくれた人もいました。

新卒入社から3年以内の転職に満足している人は87.4%

最後に「新卒から3年以内に転職して、満足していますか?」と聞いたところ、回答は以下のようになりました。

新卒3年以内の転職に関する満足度

87.4%の人が「満足」「まあ満足」と答えました。

「3年以内の転職は不利」と回答した人の中にも「満足」「まあ満足」と答えた人は多数。

転職活動に多少苦労しても、結局「転職してよかった」と感じる人も多いとわかりますね。

まとめ

新卒3年以内に転職した498人を対象にアンケートを行ったところ、転職理由で最も多かったのは「仕事内容が合わない」でした。

希望とは違う部署に配属されたり、任された業務が合わなかったりして転職を決意した人が多数いました。

新卒入社後3年以内の転職が不利になったか聞いたところ、「不利と感じた」「まあ感じた」という人は全体の34.8%。

「不利と感じなかった」「あまり感じなかった」と回答した人のほうが多くなりました。

不利と感じなかった理由としては「第二新卒枠だったから」「資格があったから」などが挙げられています。

アピールできるスキルや資格がある人や、経験よりも人物重視で採用してくれる会社を選んだ人は、スムーズに転職活動を進められたようです。

新卒3年以内の転職に満足している人は87.3%にのぼり、転職活動に苦労しても、転職自体には満足している人が多いとわかりました。