- アルバイト先の人間関係がツライ
- 給料が安いのに、社員並みの働きを求められる
アルバイトを辞める理由は人それぞれ。
中にはバイト先に伝えにくい退職理由もあって、「どうやって伝えたらいいんだろう」「言い出しにくいな」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は男女500人にアンケートを実施し「アルバイトを辞めた理由」や「辞めると伝えた方法」について調査しました。
- 調査対象:アルバイトを辞めた経験がある人
- 調査日:2021年3月11日~12日
- 調査方法:インターネットによる任意回答
- 調査人数:500人(女性374人/男性126人)
目次
アルバイトを辞めた理由1位は「人間関係」
まずアルバイトを辞めた理由について聞いたところ、回答は以下のようになりました。
回答数が多かった順に8位までを紹介します。
1位はダントツで「人間関係が悪い」でした。
「人間関係」は、正社員、アルバイトなどの雇用形態に関わらず、退職理由の上位に入る理由です。
2位と3位には「卒業・進学・就職のため」「学業に専念するため」と、学生アルバイトに多い退職理由がランクイン。
4位と5位には「仕事内容が合わない」「他の仕事をしたくなった」など、仕事内容に関わる理由が入りました。
では具体的な回答を紹介します。
1位 人間関係が悪い
- 社員からの嫌がらせを受けたからです(20代女性)
- 店長の性格が自分には合わず辞めました(30代男性)
- 直属の上司からのパワーハラスメントです(50代男性)
「人間関係が悪い」がダントツの1位でした。
同僚と馴染めなかったり、いじめ、ハラスメント、厳しすぎる指導を受けたりして退職した人が多数。
いくら時給が良かったり仕事内容が好きだったりしても、人間関係が悪いとアルバイトに行くのが嫌になってしまいますよね。
2位 卒業・進学・就職のため
- 高校から大学に入るときに利用する路線が変わったため(20代女性)
- 大学を卒業して就職するから(30代女性)
- 同時に正社員の職を探してて、決まったので(40代男性)
卒業・進学・就職のためにライフステージや行動範囲が変わり退職した人が2位。
学生から社会人になったり、アルバイトから正社員になったりして退職した人が多数でした。
進学をきっかけに、引っ越したり通学経路が変わったりして通勤できなくなり、辞めた人もいました。
3位 学業に専念するため
- 高校3年の時だったため、進学に向けて勉強に集中したかった(20代女性)
- 学校が忙しくなり、バイトに入る時間がなくなりそうだったので(30代女性)
- アルバイトを全力でやりすぎて、学校の単位をたくさん落としてしまったから(40代女性)
3位は学生に多い「学業に専念するため」でした。
具体的には「大学の授業が忙しくなった」「勉強に支障が出た」「受験勉強に専念したい」「留学する」など。
学生かどうかに関わらず「資格の勉強をするため」という理由でアルバイトを辞めた人もいました。
4位 仕事内容が合わない
- 接客するのが元々苦手で、嫌になったから(20代女性)
- 店先で大声で呼び込みをする仕事を任せられたけど、恥ずかしくてできなかったから(30代女性)
「覚えることが多すぎた」「初対面の人と接することが苦痛だった」など、「仕事内容が合わない」が4位。
仕事を続けていくうちに、自分には向いてないと思い知ることは、よくあります。
5位 他の仕事をしたくなった
- 働いていたアルバイト先で学べる事がなくなり、他のアルバイトでの経験が積みたくなった(30代男性)
- 他に魅力的なバイトがあったため(40代女性)
5位は「他のアルバイトをしたくなった」「他の職種に興味が出てきた」でした。
「ステップアップしたい」「もっとスキルが身につく仕事をしてみたい」と、退職した人が多数。
仕事内容ではなく、「より時給・条件のいいアルバイトが見つかったから」という人もいました。
6位 体調不調・健康面の不安
- あまりにハードな肉体労働であったため辞めました(20代男性)
- 腰を壊して動けなくなった(30代男性)
病気、怪我、妊娠など「体調不良や健康面の不安」から退職した人が6位。
「作業や立ち仕事がツラかった」という人のほか、「ダブルワークをしており体力的な負担が大きかった」という人も複数いました。
7位 勤務時間・日数への不満
- 深夜のシフトが辛かったため(20代女性)
- 一方的なシフトの交代が急すぎることが多々あったから(30代女性)
- シフトに入れてもらえなくなりました(50代女性)
「シフトが希望と違う」と、勤務日数や時間に関する不満が理由で辞めた人が7位でした。
不満の内容は「シフトに入れてもらえない」「シフトが多すぎる」「シフト変更が多い」「季節によりシフトに差がある」「希望の休みがとれない」「夜勤がツライ」などさまざま。
とくに目立ったのは「シフトに入れてもらえない・減った」という人でした。
8位 時給・収入への不満
- 時給が最低賃金だったので辞めた(20代女性)
- 時給と仕事内容のバランスが悪すぎたので(50代男性)
「大変なわりに時給が低い」「時給以上の働きを求められる」など、時給・収入に不満があって辞めた人が8位。
中には「最低賃金以下で働いていた」「残業代がつかなかった」など、職場のコンプライアンス違反を訴えた人も。
頑張ってもお給料が安いと「もっと時給が高いアルバイトはないかな」と考えてしまいますよね。
アルバイト先に辞めることを直接伝える人が8割
アルバイト先に辞めると伝えた手段を聞いたところ、以下のような結果になりました。
圧倒的に多かったのは責任者や上司に「直接伝えた」で、8割を超えました。
2位以下はかなり差が開いて、「電話」「メール・メッセージ」と続きます。
少数ですが、無断で辞めた、親や友人などに伝言してもらったという人もいました。
それぞれの伝え方を選んだ理由について、実際の回答を紹介します。
1位 直接伝えた
- 「直接言わないと辞められない」と先に辞めた子から聞いていたため(30代女性)
- もっとも簡単かつ簡潔だから(30代男性)
- 直接は言いづらかったが、どうせ辞めるならきちんと話をして辞めようと思ったから(40代女性)
職場に直接伝えた人が8割を超え、ダントツの1位でした。
「礼儀・マナーだと思ったので」「一番伝わりやすいから」という回答が多数。
嫌で辞める職場にも「けじめ」として直接話した人のほか、円満退職で「お世話になった職場や上司に、感謝の気持ちを直接伝えたかった」という人もいました。
2位 電話で伝えた
- 直接だと伝えるタイミングが難しかったり、押し切られたりという恐れがあったため(20代女性)
- もう店に行きたくなかったので、シフトが休みの日に伝えました(40代女性)
- 直接はやはり言いづらい(50代男性)
「直接は言いづらい」「もう職場に行きたくない」「直接だと引き止められる」などの理由で、「電話で伝えた」という人が2位。
「早いほうがいいと思ったのでまず電話して、後日直接伝えた」という人もいました。
3位 メールで伝えた
- 電話をかけてもなかなか繋がらなかったり、直接はタイミングが掴めなかったから(20代女性)
- 直接は言いづらく、だんだんシフトを減らしていきメールしました(30代女性)
「メール・メッセージで退職について伝えた」が3位。
電話と同じく「直接だと言いにくい」という意見が目立ちました。
「まずメッセージしたあと、直接伝えた」「証拠として残せるから」「普段から連絡がメールだったから」という回答も寄せられました。
4位 無断で辞めた
- 言いづらかったから。もう会わないと思ったから(30代女性)
- とにかく逃げたかった(40代男性)
「無断で辞めた」つまりバックレたという人が5人いました。
中には「辞めさせてもらえなかったので、無断欠勤するしかなかった」という回答も。
なお「伝えずに辞めた」という5人のうち2人は、後日職場から連絡があるなどして、辞めることと退職理由を伝えたそうです。
5位 伝言してもらった
- 店長に直接いうのが怖かったため(30代女性)
- 普段店長が居ないお店だったので、お店に連絡しても店長と話ができる状態ではなかった(30代女性)
親や友人など第三者に伝言してもらった人が4人で5位。
理由は「伝えづらかった」「上司や責任者に連絡がつきにくかった」など。
なお6位以下では「メモで伝えた」などの回答がありました。
アルバイト先に辞める理由を正直に伝えた人は6割
続いて、アルバイト先に「辞める本当の理由」を伝えたか質問したところ、回答は以下のようになりました。
6割以上の人が本当の理由を伝えたという結果に。
「同僚と気が合わない」「嫌がらせを受けた」などの理由も、きちんと伝えて辞めた人が多数。
一方で、本当のことは言わず「ウソの理由を伝えた」という人も4割近くにのぼります。
そこで、ウソの理由を伝えた192人に、どのような退職理由(建前、言い訳)をバイト先に伝えたのか聞いてみました。
8位までをランキング形式で紹介します。
1位は「学業に専念するため」でした。
学生であれば「授業のコマ数が増えて忙しい」「受験勉強のため」と説明すれば、バイト先も引き留めにくそうですね。
2位以下は「家庭の事情」「引っ越しのため」と続きます。
ランク外には「本当のことは言わず、ただ一身上の都合でと伝えた」という回答もありました。
では実際の回答を紹介します。
属性のあとに「本当の退職理由」を記載していますので、本音と建前を比較してご覧ください。
1位 学業に専念する
- 学校が忙しくなったと伝えた(30代女性/他のバイトがしたくなった)
- 実習や授業が忙しくなるのですみません、と伝えました(30代男性/人間関係が悪い)
学生がつかいやすい「学業に専念するため」という建前が1位。
「大学や高校の授業が忙しい」「学業との両立ができない」だけではなく、「資格の学校に通いたいから」と伝えた人もいました。
「勉強のため」と言われると、強く「辞めないで」とは言いにくいですよね。
2位 家庭の事情
- 親戚の事業の手伝いをするよう言われたからと伝えた(30代女性/時給・収入への不満)
- 父親の介護をしないとならなくなったのでと伝えました(40代女性/人間関係が悪い)
家族の介護・看病、子育て、家業の手伝い、家族からの反対など「家庭の事情で退職する」と説明した人が2位でした。
ただ「家庭の事情」と伝えても、「時短勤務なら働ける?」「一時的な休職にしたら?」と提案されたり、詳しい事情を聞かれる可能性も。
「詮索を逃れたい」と嘘を重ねてしまうと、あとから「作り話だった」とバレて気まずくなることも考えられます。
退職理由が建前の場合は「プライベート・デリケートな問題なので、詳しくはお話できません」など、詳しい説明を避けるのが無難です。
3位 引っ越し
- 実家に帰るからと伝えました(20代女性/他の仕事をしたくなった)
- 引っ越しをするので、と伝えました(50代女性/人間関係が悪い)
「引っ越すので、通勤できない」と伝えた人が3位でした。
慰留するつもりだった上司も「引っ越すなら仕方ないね」というしかないですね。
ただ実際には引っ越していない場合、家の近くで会社の人と遭遇してしまったら、気まずそうです。
4位 体調不良
- 体調を崩したので今まで通りには働けないと伝えた(30代女性/仕事を教えてもらえなかった)
- 体調があんまり良くないからと伝えた(40代女性/仕事内容が合わなかった)
4位は「体調不良のため」でした。
「体調が悪く働けない」と言われれば、上司や経営者も引き留められないですよね。
ただこの理由も、もしすぐに別の職場で働きはじめたことがバレると、気まずくなってしまいそうです。
「新しい職場が、前の職場の取引先」「経営者同士が知り合い」という可能性もありますからね。
5位 他にやりたい仕事がある
- 違う方面で活躍したいと伝えた(20代女性/勤務時間・日数への不満)
- 他にやりたい仕事があると伝えました(30代男性/人間関係が悪い)
5位は「他にやりたい仕事がある」でした。
職場への不満を直接ぶつけず、ポジティブな理由に変換して伝えるパターンです。
理解のある職場・上司なら「残念だけど仕方ないね」と納得してくれるのではないでしょうか。
6位 就職活動
- 就職活動の時間を取るためと伝えた(20代男性/勤務時間・日数への不満)
- 就職活動を始めるのでそちらに専念したいと伝えました(40代男性/人間関係が悪い)
「就職活動のため」が6位にランクイン。
学生から社会人になる就職活動のほか、「正社員になるために就職活動をしたい」と伝えた人もいました。
次のステップに進むための退職なので、5位「他にやりたい仕事がある」と同様に前向きな印象を与えます。
同率6位 他の仕事が決まった
- 就職先が決まったからと伝えた(20代男性/職場環境が悪い)
- アルバイトではなく事務の仕事が決まったからと伝えました(30代女性/人間関係が悪い)
同率6位は「他の仕事が決まった」でした。
理由が「他にしたい仕事がある」「就職活動のため」だと、「次の仕事が決まるまでお願い」「入れるときだけでも」などと、人手不足の職場に引き止められる可能性も。
そのため「すでに他の仕事が決まった」と伝えたのだろうと推測されます。
8位 他の仕事が忙しくなった
- 「掛け持ちだと大変だから、仕事を一つに絞りたい」を辞める理由にしました(30代女性/人間関係が悪い)
- 本業の仕事が忙しくなり両立が難しくなったと伝えた(40代女性/興味のないビジネスに勧誘された)
8位は「他の仕事が忙しくなった」です。
掛け持ちで仕事をしている人が使える建前ですね。
事前に兼業について伝えていて「本当にやりたい仕事が、軌道に乗ってきた」と説明すれば、「頑張って」と送り出してもらえるのではないでしょうか。
まとめ
男女500人にアルバイトを辞めた理由について聞いたところ、1位は「人間関係が悪い」でした。
退職の伝え方は「上司や経営者に直接」が多く、6割の人が退職理由を正直に伝えていました。
一方で4割近くの人が「ウソの退職理由」を伝えたことも判明。
「なかなか辞めさせてもらえない」「波風を立てたくない」などの事情があったのだろうと推測されます。
ただウソをついて辞めると、バレたときに気まずくなったりトラブルになったりする可能性も。
ウソでトラブルになったり罪悪感を覚えたりするくらいなら、「一身上の都合で」とだけ伝えるほうがいいかもしれません。